今回は日本で唯一、定期運行をしている寝台特急列車「サンライズ出雲」に乗車した記録のうち、乗車中の過ごし方についてまとめました。
- サンライズ出雲の12時間の過ごし方が気になる
- サンライズ出雲の詳細な体験記を読みたい
- 旅人同士のやりとりを見てホッコリしたい
前回、前々回の記事をまだご覧になっていない場合は、まずはこちらからどうぞ↓
「寝台列車、サンライズ出雲に乗ってみた!!」シリーズ第3弾にして完結編です。
今回は、私の主観メインでサンライズ出雲の旅を振り返ってまいります。どうぞお楽しみください!
たくさんの写真と共にリアルな体験記をどうぞ!!
私が乗車したサンライズ出雲号は18:53に出雲市駅を出発し、翌朝7:08に東京駅に到着します。この間12時間をどう過ごすのか、一緒に追体験していきましょう。
まずは自分の部屋で過ごす
とりあえず、部屋でゆっくりする
シャワーカードを無事確保し、部屋に向かいました。
荷物を置いて、今晩過ごしやすいように色々とセッティングをします。スマホを充電して、飲み物を出して、上着をハンガーにかけて…
ゴロリ。
なんて寝心地が良いのでしょう。四捨五入したら170cmにもなる高身長の私が横になっても余りあるベッドサイズです。
窓際には飲み物等を置けるスペースがあります。今宵の宴の肴がチラ見してますね。
ベッドに座っても頭が天井に付くことはありません。必要最低限の個室ですが、窮屈という印象は全くなかったです。むしろ窓が大きくて、想像よりも広いなぁと思いました。
じゃがりこって美味しいですよね。濃いめのハイボールも好きです。缶でアルコールを摂取する時はだいたいコレを買います。
でも最近はお酒を飲むとお腹が壊れることに気付いたので、摂取しないように心がけ始めました。元々全く酔わないタイプなので、お酒を飲んでも平常心だし、それでお腹の調子が悪くなるくらいならソフトドリンクの方が身体にも良いだろう、という冷静な判断です。
とは言いつつ、誰かと飲むのは好きですし、
「夜行列車でお酒を飲んだ」
という思い出も欲しかったので今回は買いました。
何事も極端は良くありません。適宜必要な判断を下して最善の行動を取りたいものですね。
サンライズは揺れで酔う?
電車の揺れ具合が気になりますか?こんな感じです。ブレた写真です。
出雲市を発車してすぐはソコソコ揺れていました。しかし暫く進むとあまり気になりません。慣れたのかな?それとも線路が安定した道に出たのかな?
電車酔いしたら12時間は地獄だな、とお得意の心配性を発動していましたが、酔うほどではありませんでした。(主観)
あと、写真で見るとわかると思いますが窓を見るとメチャクチャ室内の景色が反射しています。窓からの景色を楽しみたいときは部屋の電気を消して真っ暗にすると良いでしょう。
一瞬で外の夜景が映えるスクリーンに変わります。万が一電車酔いしたときは、綺麗な夜景を見て癒されましょう。
ご飯を食べ、シャワーを浴びる
ラウンジで晩御飯!
さて、ラウンジにやってきました。ここで友人(ミゲル)と晩御飯を食べます。
一人でご飯を食べるくらいのスペースなら、自室で十分な広さがあります。ただ、一つの個室に二人は少し窮屈です。もし誰かとご飯を食べるなら、ラウンジの利用をおススメします。
まずは「ナナチキ」です。
出雲市駅にはセブンイレブンがあり、そこで最終的な夜行列車セット(歯ブラシ、タオル、夜食、飲料等)を購入できます。コンビニのホットスナックってたまに食べるとめっちゃ美味しい。
そしてメインディッシュ「海苔弁当」です。シンプルイズベスト。
せっかくなので出雲っぽい弁当とかあるかな?と軽く探したのですが、セブンイレブンには見当たりませんでした。もう少し探せば別のお店にあったかも。でも美味しかったのでOKです。
食事する私。このブレ具合、列車の揺れがわかりますね。ラウンジの机はこれくらいの大きさです。
疾走する夜景を眺めながら弁当を食べる。夜行列車の特権ですね。
この時間はラウンジの他の利用客が居なかったのでミゲルと談笑したり写真を撮ったりして楽しみました。もうこの時点で夜行列車に乗れた満足感で溢れていました。最高。
食後は癒しのシャワータイム
さて前回記事で紹介したシャワールーム。こちらを利用してみました。
洗浄ボタンで綺麗に洗浄されるとはいえ、潔癖な方にとっては利用に抵抗があるのでしょうか。
私は全く抵抗ないので全力で楽しみましたけど。
もし清潔感が気になるなら、出雲市駅を発車してすぐ利用をしましょう。一番風呂ならぬ一番シャワーなのである程度は使い心地が良いかもしれません。
ちなみに床がビシャビシャとか脱衣所がビシャビシャとかではなかったです。利用客のマナーの問題なのかな?
- 緑のボタンを押すとお湯が出る
- 赤いボタンを押すと止まる
- 残り時間内であれば、緑のボタンでまたお湯が出る
- 温度調節可能
- お湯が出る時間は合計で6分間
自分でお湯を出すタイミングを調整しつつ、6分以内に洗い流せば良いのです。6分って短いのか?と思いましたが、26歳男性的には時間が余るくらいでした。
まぁ最後の1秒まで浴び続けましたけどね。
揺れる車内で全裸になってシャワーを浴びるなんて、初めての経験でした。なかなかこの経験をした人はいないんじゃないでしょうか?
今後、誰かに理不尽に怒られても
「でもこの人は電車内でシャワー浴びた経験なさそうだし。」
と心の中でマウンティングを取ればやっていけそうです。最強のマインドを手に入れることができました。
ラウンジで他の乗客と仲良くなった話
お風呂上り、宴の始まり
癒しのシャワータイムを終えて、ミゲルと合流。ラウンジに向かったら…
宴の始まりです!!
夜のホームを背景に、酒とスナック菓子。塩分多めのおつまみ。最高ですね。
ミゲルと今回の旅の話や学生時代の思い出について談笑。あぁ、最高の時間です。
思いもよらない行動。これがトラベラーズハイ。
この時間帯(21:30頃)はラウンジにそこそこ人が居ました。
私の隣にはスマホ片手に景色を楽しんでいる同い年っぽい人が居ました。
最初は友人とコソコソ談笑していたのですが、旅行中って妙にテンション上がるじゃないですか。トラベラーズハイってやつですかね。普段の私はこんなことしませんよ?絶対しませんよ?それなのに…
私は急に隣の人に話しかけました。
じゃがりこ食べますか?
はい。完全に不審者です。電車で隣の人に食べ物渡すって超ヤバイ奴ですよね。
私なら絶対に受け取りません。でも、その人はめっちゃ戸惑った様子ながら
あ、えっ、いいんですか?じゃあ…
と食べてくれたのです。なんてお優しい。
以下、この人は便宜上「じゃがりこさん」と呼ばせていただきます。
じゃがりこさんは一人ながらもとても慣れた様子で景色を楽しんでいたので「さては寝台列車ベテランだな?」と思い、話しかけてみたくなったのです。
勇気ある行動が忘れられない思い出に変わる
友人もさすがに「いや話しかけるんかい」と引いていたような気がします。そんなことはお構いなしに、トラベラーズハイでコミュ力が7倍になった私は3人で話始めました。
学生ではなく社会人だと言っていたので、予想通り年齢も近いようでした。
話を聞くと、じゃがりこさんはやはり何度かサンライズ号に乗ったことがあるようです。他の寝台列車にも乗ったことがある、みたいな話もしてくれました。電車に乗るのが好きなようです。色々なことを教えてくれました。
- サンライズ号のシャワーが不調になって使えなくなったことがあること
- サンライズ号は鹿との激突でよく遅延すること
- 停車時間の長い駅ではホーム上の自動販売機で買い物ができること
なんて優しい人なのでしょう。話しかけて良かった。(結果論)
つまみを食べ終え、お酒もなくなり、さすがにじゃがりこさんも一人で楽しみたいかな?と考えてゴミ捨てついでに解散しました。いやぁ、良い人だったな。
部屋に戻って記念撮影。B寝台シングルはこれくらいのスペースです。天井までの空間、結構ありますよね。
ラウンジ談笑延長戦。ギャラリーも増えて…?
部屋に戻ったものの、寝るには少し早い時間。結局、ミゲルともう一度ラウンジに行くことにしました。
ラウンジにはさらに人が増えていました。さっきのじゃがりこさん、一眼カメラを持っている大学生っぽい人、中学生っぽい二人組。
私はじゃがりこさんに会釈しつつ少し離れた席に座り、隣に居た一眼カメラの大学生っぽい人に話しかけました。
カメラ得意なんですか?
自分もミラーレスカメラを持っていたので、話しかけたくなったのです。気安く話しかけ過ぎ。便宜上、その大学生っぽい彼は「カメラ君」と呼ばせていただきます。
カメラ君はやはり電車を撮るのが好きなようです。北海道で珍しい電車を撮影したんだとか。私は電車に詳しくないので「ほえぇ~」でしたが、いつの間にかじゃがりこさんも話に加わり「それはレアな電車ですね!」と盛り上がっていました。
どんどん広がる、交流のラウンジ
じゃがりこさんとカメラ君と我々。知らない人との話ってなんて楽しいのでしょう。
こうなったらもう私は止まりません。皆さんの予想通り、中学生っぽい二人組にももちろん話しかけました。
やはり中学生でした。部活の遠征帰りのようです。運動部なのかな?と思ったら普通に「旅行っぽいことをする部活」のようです。
そんな夢のような部活あるんかい!?
俺も入りたかったなぁ〜
部員の分サンライズの席確保する顧問すごいな…
※のびのび座席(一番安い雑魚寝タイプの部屋)を貸し切ったようです。
じゃがりこさん、カメラ君も会話に加わり、いろいろな話で盛り上がりました。
すると突然、
ここの駅の停車時間ならギリギリホームの自販機で飲み物買えるよ
と言って深夜の途中下車をしてました。
早く早く!!
乗り遅れたら終わるじゃん!!
とキャッキャしたのも良い思い出です。見事生還してラウンジに戻ってきたじゃがりこさんを皆さん拍手で迎えました。
【大反省】車掌さん降臨。
22時頃にラウンジに来たはずなのに、時刻はもう深夜になっていました。そろそろ解散するか…というところで車掌さんが見回りに来ました。
おやすみ中の方もいらっしゃいますので…もう少しだけトーンを下げてお楽しみくださいね😊
普通に怒られました。
本当にごめんなさい。
この場を借りて謝罪させていただきます。コソコソ声で話していたつもりでしたが、実際はそうではなかったかもしれません。つい盛り上がってしまいました…
こうして「そろそろ寝るか」と解散の運びになりました。
ラウンジでの大声は隣の車両の個室にも響きますので声量にご注意ください。
12時間の電車旅、終わりのとき
いよいよ就寝。一人、部屋で何を思う?
ミゲルとも別れて自室に戻ります。
電気を消して、ベッドに横になる。ふと、夜空を見上げると…
なんて立派なお月様…!
この日の前日が満月だったようです。なのでこれもほぼ満月です。月が輝きを放っていました。そして、その周辺には…
美しいオリオン座の砂時計が見えました。
私はとても目が悪いです。月も星も大好きなのですが、視力矯正をしてもあまりしっかり見えません。
そんな私が、目を凝らさずとも、ハッキリとオリオン座を見たのです。
私は生涯、この時の景色を忘れることはないでしょう。車内から星を撮る技術も望遠レンズも持っていない私は、その写真は撮れませんでした。それでも、網膜には今も焼き付いています。
寝台列車に乗って、綺麗な星を眺めて、大好きな月も見て…
私の夢が一つ、叶った瞬間でした。(過去記事参照)
思わずスマホで「One Night」を流しながら、しばらく、夜空を見上げていました…
夜明け、そして遂に東京駅に到着
早朝5時に目覚めました。うるさくて目が覚めたのではなく、朝の車窓も楽しみたかったので計画的起床です。
ご覧ください。綺麗な朝焼けと疾走感です。
東京駅に着くのは7:08。もうあと2時間で到着です。
ここでも目覚めの「One Night」を流しながら朝食用のパンをモグモグし、ぼんやりと外を眺めていました。
ゆっくりと朝の準備をしました。生活感溢れるシーツのズレ具合です。
時刻は6:43。あぁ、もうすぐ着いてしまう…
ゴミが見えていて少しアレな写真ですが、部屋の机?はこのくらいです。お弁当くらいなら余裕で楽しめます。カップホルダーがあるので揺れても安心して飲食可能ですね。
さて、名残惜しいですが、東京駅に着いてしまいました。
サンライズ出雲の過ごし方、まとめ
かくして、私の12時間の夜行列車の旅は終わりました。東京駅でサンライズ号の記念撮影です。
3部構成でご紹介した記事もいよいよ終了です。ここまで読んでいただきありがとうございました。夜行列車の魅力は伝わったでしょうか?
サンライズに乗りたいなら、今、乗ろう。
前記事で述べた通り、サンライズ号は赤字で毎日走行しております。
いつ廃線になってもおかしくない
そろそろサンライズ号も終了する
とまことしやかに囁かれています。何事も、始まりがあれば必ず終わりが来るのです。
夜行列車に乗ってみたいな、でもまぁいつか機会があればで良いかなぁ、なんて思っていませんか?
その「いつかの機会」っていつですか?
サンライズ号終了のアナウンスが出てから予約を取るのですか?その頃には「最後だし乗ってみるか勢」と「最後だしもう一回乗ってみるか勢」の皆様で今より熾烈な予約争奪戦が始まることでしょう。
今回こうやってサンライズ号の記事を最後まで読んでいただけたということは、夜行列車に関心があるのではないでしょうか。
毎日、学校や仕事、家事や育児お疲れ様です。そんな自分へちょっとした「非日常」をプレゼントするのは今なのではないでしょうか。
私は今回、サンライズ出雲号に乗れて本当に良かったです。
幼少期の夢が一つ叶いました。素敵な景色が見れました。貴重な経験ができました。愉快な人たちと出会いました。今度はサンライズ瀬戸号に乗って四国観光をしてみたいです。
日本で唯一、定期運行をしている寝台特急列車の旅、皆さんも体験してみませんか。
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