益田市(島根県)を気ままに散歩。思いのほか楽しい。

今回は島根旅行二日目の午前、益田駅付近の観光の様子をご紹介させていただきます。

島根県の西の拠点、益田市。観光地としてはメジャーではないと思いますが、だからこそ感じた「県民の生活感」をお伝え出来たらなぁと思います。

益田駅周辺に泊まっているけど、ちょっとした観光にどこに行けばわからない

というお悩みを解決できそうな散歩コースです。ぜひご活用ください。

なぜ益田市を拠点に?

島根県の観光地は東に集中している。

島根県の代名詞(?)出雲大社。注連縄(しめなわ)が芸術的です。

島根県の観光と言えば出雲大社ですね。私も今回の旅行で初めて行きました。(その旅行記はこちら

あとは松江エリアで松江城玉造温泉を観光するのが王道でしょうか。出雲も松江も、島根県の東側にありますね。そう、島根県を観光する場合にわざわざ西側の益田市に行くことはないのです。

ハッキリ言うと、益田市は観光地ではありません。

では、私がなぜ益田市を散歩することになったのか。

あぐ
あぐ

島根県最西端の「津和野」に行くための拠点にしたかったから!!

津和野の観光の様子は過去記事↓をご覧ください。

益田市は島根県の西側に行くなら必ず通る拠点地。

津和野から松江まで約200kmあり、特急電車に乗っても3時間かかります。

津和野を含めた島根旅行をする場合は、出雲・松江・そのまま行こうと思えば鳥取まで行くことができる特急スーパーまつかぜが必須です。

そしてその特急スーパーまつかぜの始発駅が益田駅。なので、津和野から近い(40分)益田市を拠点にすると良いのです。

益田市は萩・石見空港からバスで10分。駅前にはホテルも何件かあり、特急の始発駅ということもあって拠点に最適。例に漏れず私も益田市駅が最寄りのホテルで一夜を過ごしました。

そして翌朝。この日の12:17発の電車に乗るまでの間、益田市をぶらぶら歩いてみた、というのが本記事です。

今回の散歩ルート

まずは益田駅から柿本神社までお散歩。

距離は約2km、歩いて30分です。

柿本神社は万葉公園に繋がっています。万葉公園はとっても広いので、入口付近で軽くマイナスイオンを取り込む程度に散策。

その後は益田駅まで戻って益田市役所へ、体力があれば島根県芸術文化センター「グラントワ」まで行ってしまいましょう。

柿本神社からグラントワまでは約3km、歩いて40分かかります。

グラントワから益田駅までは1.3kmですが、さすがに疲れたのでバスで戻りました。(160円

あぐ
あぐ

歩くのが得意じゃなければ柿本神社だけ行けばOK

観光地ではないけれど、「いつもと違う」は立派な観光。

では早速、あぐの散歩した様子を写真とともにお届けしていきます!

ただの踏切なのに、「いつもと違う」

眼科の装置覗いたら見える景色みたい。

こちらはJR山口線です。線路が一つしかありません。東京ではなかなか見ない景色。それも、ずーっと真っすぐな線路。

よく見ると、枕木が木材です。東京の枕木はコンクリート素材のものばかり。昔ながらの線路、という感じがして素敵ですね。

ちなみにこの辺りで宿泊したホテルから電話が来ました。話を聞くと、今回の旅の同行者「ミゲル」の財布がロビーに置き去りだったとのこと。どうせこの後は益田駅まで戻るので、フロントで預かってもらうことにしました。

ミゲル
ミゲル

日本が優しい国で良かった…!!

川の景色も「いつもと違う」…?

踏切の先には高津川に架かる立派な橋があります。高角橋です。

余談なのですが、高角橋のGoogleマップの口コミが☆5なんですよね笑

口コミが☆5って珍しくないですか?確かに立派な橋だったけど、全員が☆5を付けているのが妙におかしくて笑ってしまいました。

とても大きな川ですね。良い景色です。あ、でも東京の多摩川もこんな感じですよね。

綺麗だなぁと思いながら河川敷を見ていると…

高津川に生息する白鳥を手懐けるおじさんが居ました。この景色は多摩川では見たことがありません。高津川ならではの魅力ですね(?)

ふと反対側を眺めると、個人的にはなかなか見たことがない、”模範的な工場煙突”がありました!

モクモクと煙が立ち上っています。

ドス黒い煙ではなく純白な煙なのでまだ安心感がありますが、珍しい光景だなぁ。工場地帯とか行けばもっとこんな感じの景色が見られるのでしょうか?

そういえば工場夜景って綺麗らしいですね。いつか映え写真目当てで行ってみようかな。

地元の学生が朝練で集う。柿本神社!

さて、高津川を越えた先に見えてきたのが…

高津柿本神社です!!すごい階段!!

木造瓦屋根の一軒家規則的な電柱。無造作に張り巡らされた電線。やたら掲げられてる看板。

あぐ
あぐ

なんかこの写真良くないですか??

うまく言葉で表現できませんが…なんかこう…島根っぽいというか…秩序と無秩序の混在の美しさというか…趣があって、我ながら良い写真が撮れた気がしています。

映えたオシャレ写真ではないですが、お気に入りです。

青春の1ページにおじゃまします。

少し近づいてみました。近所の学生陸上部でしょうか。朝練をしていました。

神社の階段を登って、降りて、登って…

あぐ
あぐ

なんて素敵な青春の1ページなのでしょう!大好物です!!

観光地として大きく取り上げられるほどではない地元の神社で、談笑しながら朝練に励む。

やがて卒業して、大人になって、上京とかして、更に数年後にやっと島根に帰ってきて、この神社を散歩して、「俺ここで昔朝練してたわ~w」なんて思い出すんでしょうか。見知らぬ少年少女の未来に思いを馳せながら鳥居を潜る26歳なのであった。

いざ登ってみると、そこそこ急な階段。足腰が鍛えられそうだ。

階段を登るときに朝練学生をすれ違うと「おはようございまーす!」と挨拶してくれました。

うっわ青春に参加して良いんですか?とか考えたらもうニヤニヤが止まらなくて「おっはようございまぁーす!」と元気よく返事をしておきました。

あ、ちょっと、通報しないでください。

柿本神社、参拝してみた。

上から見る景色。参道がまっすぐ続いていて気持ちが良い。

アスファルトで舗装される前はもっともっとずっと伸びていたのかなぁ。

ふと階段の脇を見ると、鳥居のトンネルがありました。

なんで鳥居ってこんなに重ねてトンネルみたいにするのでしょうか?有識者の皆様、教えてください。

でも何かしらのパワーが強くなってそうな気がするのでとりあえず潜っておきました。

更に先へ進むと、柿本神社本殿(県指定重要文化財)に到着!!

柿本人麻呂が祀られており、(国重要美術品)正一位柿本大明神の神位を持ち、 疫病防除、開運、学問、農業、安産、眼疾治癒、火防などのご利益があります。入母屋造の本殿は県建造物文化財です。

その歴史は、人麿没後まもなく神亀年間(724〜729)に、聖武天皇の勅命によって終焉の地である鴨島に人麿を祀る小社が立てられましたが、300年後の万寿3年(1026)の大地震で島は海底に沈み、人麿のご神体も津波で流され、現在の高津松崎に漂着しました。

そして地元の人によってこの高津松崎に人丸社が建てられ、 長い間人々の信仰を集めたとされており、更に600年後、風波のため破損がひどくなったため、1681年に津和野藩主亀井茲親(これちか)によって、高角山(標高約50m高津城跡)に移築され、今に残っています。拝殿は津和野城から参拝できるように津和野の方向へ向いています。

毎年9月1日には八朔祭が行われ、古式豊かな流鏑馬神事がそばの高津川河川敷で催されます。高角橋から神社までの参道は露天商が並び、とても賑わいます。県指定文化財。

益田市観光サイト(https://masudashi.com/kankouspot/kankouspot-727/)

ふむふむ。350年くらい前にここに建てられたようですね。前回の白川郷と良い勝負ができる歴史の深さです。それにしても鴨島(現:徳島県)から高津松崎(益田市)まで漂流したというのも凄い話ですね。

さっき歩いてきた高角橋から神社までのまっすぐな参道に露天商が並ぶ姿も一度見てみたいなぁ。お祭りの空気感が大好きなんです。

こちら、柿本人麻呂像。

百人一首、「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」で有名な歌人です。私が百人一首で一番最初に覚えた札がこの歌でした。皆さんもこれは覚えやすかった札ではないでしょうか?

「百人一首でお世話になりました」と、ちゃんとお礼を言っておきました。

自然豊かな万葉公園

本殿の裏には大きな公園(というか山…というほど大きくはないので、丘?)がありました。緑豊かで歩道も趣がある感じが素敵でしたのでいくつかの写真でご紹介。

ああ、良いですねぇ…。マイナスイオンをたぁぁぁああっぷり吸い込んでおきました。

良い感じの記念写真を撮影して、散策終了。

入ってきた参道の裏側まで出てしまったので、そのままぐるっと外周してもう一度本殿入り口前まで戻ることにしました。

先ほどまで居た学生たちが消えていました…(´;ω;`)

不審者を察して解散したのでしょうか。良い判断ですね。

そんなことはさておき、津和野の記事で紹介した通り赤い瓦屋根の家が多いですね!さっき紹介したモクモク煙突も見えます。

ということで参拝終了。いやぁ、楽しかったなぁ。

ここで朝練していた学生たちが何かの縁でこの記事を読む日が来たら嬉しいな。なんつって。

道が広くてまっすぐな駅周辺を散策

柿本神社の観光を終えたあぐ一行。電車の時刻までまだ少し時間があるので、益田駅に向かいつつその周辺をお散歩することにしました。

益田市を歩いていて感じたこと

お散歩していて思ったのは、道が広くてまっすぐだ…!ということ。

8年間ペーパードライバーな私でも落ち着いて運転できそうです。というか、こういうところで運転に慣れてから大都会の迷宮道路に挑みたい…。ペーパードライバーが東京で運転の練習をするにはハードルが高すぎるのです。

あともう一つは、これ、ちゃんと需要があるのかな?というお店がポツポツ建っていたことが気になりました。

例えば、鳥専門のペットショップや自転車のパーツ屋さん。そりゃあお世話になることはあるでしょうが、一年で何回も行くようなお店でもありませんよね。ましてや、市内の人口も多くないし…。

ちなみにお店自体は開いているのですが、人の気配は全くありませんでした。でも営業中ということは、経営としては成り立ってるんだ…すごい…。

【参考】益田市の人口を東京と比べてみた

益田市の面積は733.2km²。人口は44,023人(令和5年3月末)。

東京で2番目に大きい八王子市の面積は186.4km²、人口は561,034人(令和5年3月末)。

面積は益田市が八王子市より約4倍広いのに、人口は八王子市が益田市より約13倍も多いのです。

これだけ差があるのに鳥を飼いたい人、自転車のパーツが欲しい人がそんなに沢山居るのか…?気になって夜しか眠れません。

と、余計な事を考えていると益田市役所に到着しました。

益田市役所前で小休憩

柿本神社から2.5km歩きました。まっすぐな道なのであまり遠くは感じませんでしたが、そこそこの距離を歩きましたので少し休憩をすることにしました。

市役所の目の前に「ここで休憩してください!」と言わんばかりの広場があります。

ここも市役所の所有地なのでしょうか?広い道に広い土地。こんな所に住んでいたら心まで広くなりそうですね。

赤い瓦が美しい…島根県芸術文化センター「グラントワ」

さて、益田市役所から歩くこと更に1km。何やら立派な建物が見えてきました。

島根県芸術文化センター「グラントワ」です。美術館、ホール、レストラン等がある複合施設。

庭には芸術的なオブジェがありました。ふーむ、アートって難しい…

せっかくなのでCDジャケットに使えそうな一枚を撮影してきました。いつ使うねん。

個人的に庭のオブジェよりも目を引いたのが、建物の外壁です。

気持ちが良いくらい綺麗に並べられた赤い瓦、赤いレンガ。山陰の赤レンガ倉庫とはよく言ったものです。あ、今勝手に私が作りました。

そうそう、島根観光記事に出てくる「赤い瓦」の正体は「石州瓦」と言うそうです。日本三大瓦の一つらしい。「日本三大〇〇」って何にでもあるんですね笑

雨・風・火・寒さ・塩害・変色・震動に強いらしいので最強ですね。さすが三大瓦の一つ。

中庭もこんな感じで綺麗な赤茶色です。オシャレ意識が高そうな水の庭まであります。

あぐ
あぐ

こんなに映えのに全然人が居ない!!

本当はもっとゆっくり見学したかったのですが、電車の時間が迫ってきたのでバスに乗って益田駅まで戻りました。

あ、お手洗いを借りたのですがとても綺麗で美意識高めの心地よい空間でした。(安定のトイレ情報)

益田市散歩の振り返り

当初は電車の時間までの時間つぶしのつもりでしたが、思いのほか楽しむことができました。

「観光地」というわけではないけれども、普段生活している場所とは異なる町の散歩って新しい発見がたくさんありますね。自発的に市の面積と人口を調べたのは人生初めてです。旅行をすることで視野が広がる良い例でした。

朝から総距離約6.5kmを歩き通しましたが、快晴も相まってとても心地よいお散歩タイムだったなぁ。

今回の記事では萩・石見空港を利用する方、津和野観光をする方にとっては拠点地になるであろう益田市を紹介しました。あなたの旅行計画に私の旅行記が参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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