あなたは「校長先生のお話」で覚えている内容はありますか?
学生時代の風物詩、校長先生のお話。義務教育を終えて10年以上経過した私ですが、唯一覚えている校長先生のお話は高校時代―「みなさんは、初めての場所に行ったときに何を確認しますか?」という話です。
校長先生は「私は必ず非常口を確認するようにしています。どんな場所に行っても、まずは非常口・非常階段の場所を把握することで身を守るのです。」ということを話していました。
なぜ私はこの話だけを覚えているのか― 否、本記事を書くにあたって思い出したのです。なぜなら、私は初めての場所では無意識に「ある場所」を確認して生きてきたことに気がついたのだから…。
さて、本記事では四国の予土線を走る「しまんトロッコ」の乗車レビュー記事になります。
冒頭があまりにも離れた話題すぎて「開くページ間違えたかな?」と心配になった皆様、ごめんなさい。しかしこの伏線はすぐに回収します。というか、勘の良い方はもうわかっているかもしれませんね…。
しまんトロッコ乗車の注意点
まずは、しまんトロッコの注意点からお話をさせていただきます。これが冒頭の「校長先生のお話」に繋がってくるので…。乗車レビューのみをご覧になりたい場合は目次を活用して該当箇所まで飛んでください👍️
トロッコ部分に乗りたい場合は座席指定券が必要
実は「しまんトロッコ」に乗るだけなら乗車券だけあればOKです。しまんトロッコは2両編成で、1両目はただの普通列車です。なので、ずっとこの普通列車内に居る場合は乗車券があればOK。
しかし、最大の特徴である2両目のトロッコ部分(以下「トロッコ車両」)に行きたい場合は別途座席指定券(大人530円)を用意する必要があります。
なお、座席指定券があるからと言って窪川〜宇和島間をずっとトロッコ車両で過ごすことはできません。土佐大正駅〜江川崎駅の約1時間だけ、トロッコ車両を利用できます。
ちなみに座席指定券は乗車1ヶ月前からみどりの窓口で予約できますが、私はこのタイミングでは予約できませんでした。予約競争に負けてしまったのです。
しかし「もしかしたらキャンセル分があるかも!」と考え、乗車する当日に高知駅のみどりの窓口に行って確認すると空きがありました!!やはり諦めない心が大切。こうして無事、私もトロッコ車両に乗れるようになったのです。
※もしキャンセルがなければ普通列車部分だけ利用しようと思っていました。
お弁当の予約は事前に電話予約が必要
上り方面(宇和島駅→窪川駅)でしまんトロッコに乗車する場合はお弁当を予約することができます。
記事作成時点では年間100頭ほどしか生産されない希少な西土佐のブランド牛「四万十牛」を使った丼ぶりが700円で用意していただけるようです。
なお、最新の情報(メニュー、価格など)は公式HPでご確認ください。乗車日の3日前までに電話予約が必要なようなのでご注意ください。
今回私は下り方面(窪川駅→宇和島駅)での利用だったのでそもそも対象外でした。(まぁもし対象でも予約しなかっただろうなぁ…なぜなら…)
トロッコなので窓なし!開放感の代償にやってくるもの…
トロッコ内はこんな感じ。
みなさんが「トロッコ」と聞いてイメージするそのままだと思います。その特徴はなんといっても開放感!!窓がなく吹きさらしです。
大自然の空気をダイレクトに楽しむことができるメリットがありますが、だからこその注意点が外部から葉っぱや虫等が入り込む場合があること。
今回の場合も駅で停車中に大きめの蜂が入ってきそうになり肝を冷やしました。(私は既に人生で2回刺されており、次あたりでアナフィラキシーショックが起きそうで怖い。)
極端に虫が苦手な場合、暖かい時期の利用は避けたほうが無難ですね。
【超重要】2時間半、トイレなし
さぁ、冒頭の伏線回収です。この張り紙、怖いですよね。「熊出没注意」の張り紙並に怖いです。
どうやら私は初めての場所に行くとき、必ず「トイレの位置」を確認しているようです。幼少期の頃から「ここぞ!」というときに腹痛に見舞われ、「近くにトイレがない」という情報が入るだけで急にトイレに行きたくなってしまいます。
ましてや尿管結石を経験してからは頻繁に排尿するように心がけており、1時間30分くらいで尿意を感じます。
要するに、トイレのない環境が凄く苦手なのです。
そんな私にしまんトロッコは恐ろしい試練を課します。窪川〜宇和島の約2時間30分の道のりで、トイレに行けないというのです。ここで私が行った努力は以下のとおり。トイレが心配な読者さんへ少しでも参考になれば幸いです。
- 窪川駅を出発するギリギリまでトイレに籠もり、すべて出しきっておく。
- 車内販売で飲食物を何も買わない。弁当なんて絶対に予約しない。
- 飲み物をできるだけ摂らないようにする。
- 旅行前から善行を積んでおき、乗車中に尿意・腹痛がないことを神に祈る。
この工夫のおかげで、無事に何事もなく宇和島まで行けました😭
しまんトロッコ乗車レビュー
さて、ここからは楽しい乗車レビューです♪ トイレのことなんか忘れて、思いっきり楽しみましょう。
しまんトロッコの仕組み
窪川駅にて撮影。私はこの日、写真左の「時代の夜明けのものがたり」に乗車して高知駅→窪川駅へと移動しました。(豪華な観光列車「時代の夜明けのものがたり」の乗車レビュー記事はこちら↓)
ここから乗車するのが↑写真右のしまんトロッコ。黄色い電車です。先述の通り普通車両+トロッコ車両の2両編成。
こちらは普通車両の中の様子。本当に「普通」の車両です。唯一「ちょっと違うかも?」と思ったのは…
座席に番号が振られた席があることです。
これにより、一見「座席指定券のところに座らなくちゃいけない=座席指定券がない人は立つしかない!?」と思いがちですが、そんなルールはありません。あくまで自由席なので好きな席に座ってください。
ただ、お客さんの中で↑のように勘違いして「その席私の番号なんですけど!?どいてくださる!?」と言われるかもしれません。その場合は普通車両内は自由席である旨を説明してご理解いただきましょう。
JR四国などのHPで何か根拠を示せれば良いのですが、あくまで駅員さんと地元の人に聞いた話なんですよね…🤔
トロッコ部分の外観
窓がない、イメージ通りのトロッコ車両。車体下側は木材が用いられており、レトロな雰囲気を出していますね。昔はこんな感じの電車がいっぱいあったのだろうか…。
ちなみに雨の日は窓部分上部にあるビニールシートを降ろして防水するようです。その様子も見てみたかったな〜。(ビニールシートを降ろすと意外と暑く、シートが曇ってしまうそうです。)
トロッコの後ろ側。もともとは貨物列車として北海道を走っていたんだとか。引退した車両がリノベーションされて観光列車になるのって良いですよね。何よりエコですし。
トロッコ部分の内装
中はこんな感じ。対面する4人がけのボックスシートで、中央には小さなテーブルがあります。
大人が4人集まると結構な密度になります。知らない人と密になるのはチョット…という方は注意が必要かもしれません。
テーブルの上にはさらに小さなテーブルがあります。小さな三脚があればここにカメラをセットして外の様子が撮影できますね。まぁ、窓がないので電車の揺れでカメラを落とさないように細心の注意が必要そうですが…。
天井には温かみがある電球。LEDではないのかな。それとも実はLEDなのかな。
暗い所でぼんやりと照らす、程よい明るさの電球です。これもまた風情を感じますね。
今回の席は1Aと1B。厳密には1Aと2Bでしたが、1Bのお客さんが我々の状況に気がついて座席の交換を申し出てくださりました☺ありがとうございました。
1Cと1Dはお客さんが不在。1ヶ月前時点では満席だったので、やはりキャンセルがあったのでしょう。私としては、4人席で2人だけだったので広々使えてラッキーでした。(だから当日の申し込みでも意外と席があるかも…?)
トロッコ車両で車内販売
トロッコ車両内では車内販売がありました。
おにぎりやアイスなどの飲食物メイン。中にはドレッシングを爆買いしているお客さんも居てビックリ。重くないのかなぁ…?それほど美味しいドレッシングなのかなぁ…?
こういうとき私は記念に何かを買うのですが、今回ばかりは見送りました。だって車内にトイレがないから。少しでも胃腸を刺激するのは大変恐ろしいのです…😭
ここで購入レポートができないことが非常に残念です。
記念品がもらえる!
トロッコ車両に移動してしばらくすると、車掌さんが記念品を配布してくださりました。
記念乗車証と缶バッチ、それにトロッコのキャラが描かれている飴もありました。こういう記念品、本当に嬉しいです。良い旅の思い出ができました✨️
なんと、2024年7月13日〜8月31日の期間に乗車した場合はショルダーバックも配布されました!!
しまんトロッコ君(勝手に命名)がデカデカとデザインされた実用性抜群のバッグ。これもかなり嬉しいです!もったいなくて使えません。
トロッコならではの開放感
最大の魅力は、やはり窓がないこと。窓の反射なく、ダイレクトに車窓を楽しむことができます。
川を流れる水の音、風を切る音、草が擦れる音…普通の電車では味わうことができない臨場感がありました。
四万十川に沿って走るので、山々に囲まれた渓谷の情景を多く見ることができます。写真の撮りがいがありました。でも、写真撮影に夢中になりすぎて肉眼で楽しむことを忘れないようにしましょうね。
景色がむき出しになっている不思議な感覚。せっかくなので「今トロッコにいるんだぞ!」という写真も撮っておきました。
手を出すと危険なので絶対にやめましょう。しかし、上の方から角度を付けることで下側の撮影も可能。走っている鉄橋を撮影できる機会なんて、ここ以外にないのでは??
景色が見えないトンネル内も実は見どころポイント。ほら、電球の温もりを感じるでしょう?
窓なしの状態でトンネルを潜るのは初めての経験。やはり音が凄まじい!!そしてほのかに涼しい。(夏は涼しく、冬は暖かく感じるのかな?)
五感をフルに活用して、しまんトロッコの乗車を楽しみましょう。
四万十川には「沈下橋」という、川の増水時に沈むことが前提で造られた橋が数多くあります。このような見どころポイントは車内販売員の方が販売をしながら説明してくださりました。
はげ駅。面白い駅名ですね。でも数十年後には面白くない駅名に感じることでしょう。
【まとめ】しまんトロッコに乗ってみて
しまんトロッコの特徴はおわかりいただけましたでしょうか。
- 虫が極端に苦手である
- 密が極端に苦手である
- トイレがない2時間30分なんて考えられない
という方には少し厳しいかもしれません。しかし、それらのデメリットを凌いで余りある貴重な体験ができました✨️
トイレについては私の行った工夫である程度は耐えられると思いますので、「乗ってみたいけどトイレが…」という方もぜひ挑戦してみてください。(なお、万が一のことが発生しても私は責任を負いかねます。)
そもそも今回は「四国一周旅行」であって、高知から宇和島に行くためには予土線を使うしか選択肢がない=トイレなし乗車は避けられない旅だったんだよなぁ…。
この記事を読んでくださったあなたも、トロッコに乗ってゴトゴトと揺られる不思議な体験をしてみませんか?
最後までご覧いただきありがとうございました。このような旅行記を随時更新しておりますので、もし気に入っていただけたらトップページをお気に入り登録などしてちょくちょく覗きに来てくれると嬉しいです。
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