四国まんなか千年ものがたり乗車記。「おとな旅」を満喫!

四国まんなか千年ものがたりは香川~徳島間を走る観光列車。そのコンセプトは”おとなの遊山”。「遊山」とは、野山に遊びに出掛けること。その昔、徳島の人々はお弁当を持って「遊山」を楽しんでいたそうです。

絶景の「大歩危峡」をこの目線で楽しめる。

朝早くに起きてお弁当を用意しなくても良い。暑い中、登山をしなくても良い。快適な空間にただ座っているだけで、移り行く景色と美味しい食事を楽しみたい。そんな夢みたいな話…あるんです。昔の人々が想像もしなかったであろう「遊山」のかたちが、現代では実現しています。

そう、「四国まんなか千年ものがたり」ならね。

あぐ
あぐ

本記事は四国の三大観光列車の一つ「四国まんなか千年ものがたり」のレビュー記事です。

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四国まんなか千年ものがたり【設備編】

この章では、四国まんなか千年ものがたりの設備についてレビューしていきます。高級感溢れる外観、中に広がる贅沢空間をお楽しみください。

高級感あふれる外観

やってきたのは多度津駅。ここから旅が始まります。

私が乗車するのは多度津→大歩危に向かう「そらの郷紀行」

四国まんなか千年ものがたりは、多度津→大歩危を「そらの郷紀行」、大歩危→多度津を「しあわせの郷紀行」と呼び、金・土・日・祝のそれぞれ1日に1往復のみの運行です。

それ故に、本当に予約が取れません😭(今回取れて本当にラッキー!)

多度津駅にある自動販売機。四国まんなか千年ものがたりのカラーリングになっています。こういうのも、旅のテンションを上げてくれる大切な要素ですよね☺

こちらは1号車のお顔。暗めのグリーンをベースに、金色のラインがとても映えます。いつか乗ってみたい最上級の観光列車「瑞風」と同じ配色ですね。

よ〜く見ると、顔自体は普通列車と変わらないような気がします。カラーリングだけでここまで特別感が出せるってすごいなぁ…。

こちらは3号車のお顔。赤×金色のラインで伊予灘ものがたりを彷彿とさせます。

う〜ん、どちらの顔もカッコいいなぁ。個人的には赤×金色が大好きなんですが、緑×金色の渋カッコいい配色にも惚れ惚れしてしまいます。

私の座席は1号車の7A。緑の車両に乗り込みます。

全席グリーン車扱いなのでグリーン車マークが付いていますね。

乗り込むだけなのにマットが敷かれています。まるでVIPかのような扱い!とても良い気分で乗車できます。

暖かみを感じる内装

車両の中に入ると…

あぐ
あぐ

すっげぇぇえええ!

電車の中であることを忘れてしまうような、古民家のようなオシャレ&上品な空間。全体的に木材が使われており、とても暖かみを感じます。

席は4人がけのBOX席に相席でした。車体に合わせてなのか、シートも緑の配色。センスあるなぁ〜。

天候にも恵まれました。大きな窓から光が差し込みます…そういえばここ電車内でしたね!

こちらは2号車の座席。なんと片面がズラーっとソファ席。身体を正面に向けたまま、車窓を楽しむことができそうですね✨

こちらは3号車の座席。配置は1号車と変わりなし。しかし、こちらも車体カラーに合わせてなのか座席は赤・オレンジの配色。

木材も相まって、すごく秋っぽい!!(四国まんなか千年ものがたりは四季の移ろいを表現しており、狙いどおり3号車のコンセプトは秋のようです。)(ちなみに1号車は春の芽吹き、2号車は夏と冬らしい。)

座席だけじゃない!細部まで統一されたデザイン

なんて上品な空間なんだ…と感激していると、まだまだ細部にグッドデザインが沢山ありました。

ふと天井を見上げれば、格子状に組まれた木材×鏡。和の空間、暖かみのある空間を演出しつつ、車内をより広く見せるための工夫でしょうか。

世界観を維持・向上させつつ機能性もある、素晴らしいデザインですね…。

各車両に移動する際にドアがありますよね?あれも木目調。

それぞれの車両の名称が書かれており、自動でドアが開きます。まるで「こちらが『春萌の章』です。」と説明しながら襖を開ける女将のよう。

バリアフリートイレの入口も木目調かと思えば、

洗面所も世界観に合わせたデザイン。スゴイ。すごすぎる。世界観を壊さない作り込みに感服しました。

いや〜、素晴らしい空間だな。と車内散歩を終えて自席へ。窓からの光が強いので少しブラインドを閉めようかな…と手にかけると、これまたビックリ。

あぐ
あぐ

Oh!! Japanese SUDARE☆

こんな所まで「和」テイストで仕上げています。これが「観光に特化した列車」か。これが「四国が誇る三大ものがたり列車」のうちの一つか。

電車が発車する前から、興奮が収まりませんでした。

四国まんなか千年ものがたり【食事編】

四国まんなか千年ものがたりの魅力の一つが車内での食事です。

事前に予約しておくことで、有名レストラン料理長監修の特別な食事を楽しむことができます。お値段は5,600円で、メニューは時期により変化します。最新のメニュー情報はこちら↓をご覧ください。

本記事では2024年8月時のメニューについてレビューしていきます。

讃岐三畜と旬の地元野菜の洋食プレート

今回乗車した「そらの郷紀行」では、金刀比羅宮が運営する神椿(かみつばき)の調理長監修「さぬきこだわり食材の洋風料理」をいただくことができます。

まずは冷製料理としてこちらの4種。

北海道産帆立貝柱と夏野菜のコンソメゼリー寄せ

ご覧ください、この大きな帆立の貝柱!!ここまで大きな帆立は初めて見ました。

デカすぎる、さすが北海道産だ…と思いながら、ありがたくいただきます。頬張るほどの大きさの貝柱、最高でした。そもそもコンソメゼリーってなんやねん。オシャレ過ぎやろ。

夏野菜として出てきた茄子も、これまた味が染み込んでいてとっても美味しかった…

讃岐オリーブ牛もも肉のローストビーフ グレービーソース

写真を見ただけで美味しい。柔らかく、でも噛みごたえのある絶品ローストビーフでした。

グレービーソースとは肉汁を使ったソースだそう。うん、どおりで「優しく添えるだけ」のような味がしたわけだ。主役のお肉を引き立たせる、謙虚な味。「どうも!ソースです!」みたいな主張がまったくなく、まさに名脇役なソースでした。

鮮魚のポワレとカラフルトマトのハニーピクルス

メインは鮮魚ですが、トマトのインパクトが凄い!食べた瞬間にジュワッと弾けて、ピクルスの酸味が口いっぱいに広がります!!(苦手な人は苦手かも。)

この爆発的な酸味と、お魚の淡白な味がベストマッチしていました。

確かに焼き魚にはサッパリした漬物などが合います。地味になりがちな焼き魚料理を、色鮮やかなトマトでお洒落な洋食のように見せつつ味のコンビも抜群に仕上げて…あっぱれですね。

青い豆を添えた讃岐地鶏のコンフィ

低温の油でじっくりと煮た料理「コンフィ」。鶏肉とこんなに相性が良いなんて。

シンプルな味付けで、しっかり「鶏肉!!」の旨味が口に広がりました。硬すぎず、柔らかすぎない、絶妙な歯ごたえ。鶏肉料理の硬さはこれが最上級だな、と思いました。

噛めば噛むほど「鶏肉!!」の旨味を感じることができます。コンフィ最高。

温製料理のカレー&コーンピラフ

続いては温製料理。「オリーブポークカレー」「香川県産コシヒカリのコーンピラフ」です。

なんて良い雰囲気なんでしょう。ここだけ見たら高級レストランじゃないですか…。

カレーには具材がゴロゴロ入っていて食べ応えあり。まるでスープのように、カレーだけでもパクパク食べれてしまいます。

そしてコーンピラフ。久しぶりにピラフを食べましたが、そうだね。ピラフってこんなに美味しかったんだね。小さい頃、たまに給食で出てくるピラフが好きだったなぁ…。

主張少なめの優しいピラフの味。目を閉じて噛み締めながら、色々なことを思い出しました。

もちろんピラフをカレーにダイブさせていただくのも良し。ピラフの味の主張が控えめなので、カレーの味わいを邪魔しません。あぁ、本当によく考えられている…。

一食だけで、こんなに色々なことが計算されているんですね。料理人ってスゴイな。

食後はコーヒーとともに和三盆

食後にはコーヒーが出てきます。「コーヒーは苦手ではございませんか?」と聞かれたので、苦手な場合は他のものが出てくるのだと思います。

まぁ私は大人なのでコーヒーで大丈夫ですけど。

讃岐と阿波の和三盆も一緒にいただけます。二粒だけなのに、とっても満足。ヒョイと一粒口に放り込めば、一瞬で溶けます。一瞬で溶けて、和三盆の優しい甘さが口いっぱい。

いやぁ〜ブラックコーヒーが進みますなぁ!!

言った直後にミルクをin。大人なんだけどねっ!うん!ブラックでもいけるんだけど!!ほら、ミルク入りバージョンも楽しんでおきたいなぁと思いまして!!エヘエヘ。

四国まんなか千年ものがたり【おもてなし編】

この章では、四国まんなか千年ものがたりで受けた様々なおもてなしについて解説していきます。乗っているだけで楽しい観光列車。それに加えて、より楽しい旅になるようなサービスが盛り沢山なのです。

駅員さん、地域の方々からのお見送り

四国を走る観光列車「ものがたり列車」シリーズの定番。駅員さんや地域の方々からのお見送りです。直射日光の暑い中、お仕事でお忙しい中、多くの方がお見送りしてくださります。

「物理的なモノを貰う」訳では無いのですが、とても心が満たされます。

便利なモノが溢れる現代社会において、今の私が求めるものは目に見える「モノ」ではなく目に見えない「繋がり」や「感情」なのかもしれませんね。

琴平駅のラウンジでウェルカムサービス

琴平駅にはラウンジがあります。ここは「四国まんなか千年ものがたり」の乗客しか利用ができない特別な空間です。

私が乗車したのは琴平駅より手前の「多度津駅」。このラウンジは「琴平駅」から乗車するお客さんしか利用できないのかな〜と思っていたのですが…

なんと、多度津駅からの利用客も一時降車して利用できるのです!!これは嬉しい!!

中は結構広いです。四国まんなか千年ものがたりのパンフレットや、伝統工芸品などが展示されています。

そうそう。ここで「本日のスープ」と「お水(いろはす285ml)」をいただくこともできます。今回のスープは冷製コーンスープ。冷製スープって美味しいですよね。グビグビ飲んじゃいました。

そしてなんと、このラウンジ経由で一時的に駅の外に出ることができます。ちゃんと出発時刻までには戻りましょう。

いかにも「特別感」がある入口のロゴ。

琴平駅の駅舎。瓦屋根がカワイイ。

とても綺麗でシックなデザイン。

こんぴらさんへと続く道。いつか行ってみたい。

「専用」待合室です。良い気分ですね。

琴平駅の停車時間は14分。その間にウェルカムサービス・琴平駅外観などを楽しみましょう✨

バースデイ切符特典!?&記念乗車証

終点の到着間際に、記念乗車証が配布されます。旅の思い出に嬉しいお土産ですね☺

ちなみに乗車時に切符の確認があるじゃないですか。私は今回「四国バースデイ切符(※)」を利用していたので、その切符を見せたのですが…

なんと、手書きのメッセージカードをいただきました!!嬉しいサプライズ!!本当にありがとうございます。

(※)四国バースデイ切符とは…

誕生月の連続3日、JR四国全線と土佐くろしお鉄道全線の特急列車が乗り降り自由になるきっぷ。あまりにもお得過ぎるので、後日別記事にて詳しく解説します。

秘境駅「坪尻駅」で下車&記念撮影サービス

列車または徒歩でしか行くことができない秘境駅「坪尻駅」。

この駅は急勾配の途中にあるため、スイッチバック構造を採用した珍しい駅。その昔、蒸気機関車は一旦折り返し線へバックし、勢いをつけて急坂を上っていったそうです。

そんな坪尻駅では13分程度停車し、下車して記念撮影をすることができます。

今回の旅の同行者「すなふ」と共に。

日付の入った記念ボードを用意してくださり、アテンダントさんが撮影してくれます。「四国まんなか千年ものがたりに乗って坪尻駅に来たんだぞ!」という記念を残すことができますね。

1号車側でもアテンダントさんが撮影してくれます。

撮影の瞬間にちょうどアンパンマン列車が通過していきました。四国まんなか千年ものがたり×アンパンマン列車の奇跡コラボ写真を、我々のツーショットと共に残せてラッキー☆

もちろん、自身で撮影することもできます。いやぁ、大自然の中の観光列車は非常に映えますね。

ホームの端へ進めば、列車をほぼ正面から捉えることができます。なんだかポストカードにでもできそうな良い写真が撮れました☆

先の風景はこんな感じ。周りはすべて山、まさに秘境駅という雰囲気です。

そういえば坪尻駅にも、下灘駅にあった「らぶらぶベンチ」がありました。JR四国さんの定番なんでしょうかね🤔

参考:下灘駅のらぶらぶベンチwithミゲル

坪尻駅での意外な穴場

ちなみに!これ穴場です!

1号車側は記念撮影組で賑わっていますが、3号車側まで来ると誰もいませんでした!人の映り込みが少ない写真が撮り放題です!

こちらもポストカードにできそうな写り映え。う〜ん、我ながら写真のセンス上がってきたのでは????

青い空・緑の山の景色の中、赤い車体がとても綺麗に引き立ちますね。

3号車側の線路はこんな感じ。スイッチバックしているのでここが先端ですね。

広大な自然の山の中にポッカリと開いたトンネル。吸い込まれるような謎の魅力がありますね…。夜とか絶対怖いだろうけど。

「阿波池田駅」で車掌さんになりきり&記念撮影サービス

「阿波池田駅」でも坪尻駅と同じように、少しの時間下車して記念撮影をすることができます。

こちらでは駅員さんの帽子と特製のハッピをご用意いただいております。もちろん先程のボードも完備してアテンダントさんが撮影。

というわけでフル装備で撮影。ハッピのカラーリングは二種類ありました。私はやっぱり暖色が好みです。

阿波池田駅では10分の停車。この間に先頭に行って再度撮影。坪尻駅と比べると人工的な建築物が多く見受けられます。山から出たことで山の全景を画角に収められるのも良いですね。

もちろん3号車側にも周りました。

良い光が入っていたので美しい空の景色が撮れました!!うーん、いかにも「夏の空」って感じだ。その中でパキッと赤い車体。良いバランスですねぇ…。

せっかくなのでドリンクを注文してみた

おもてなしとして欠かせないのが車内販売。机上にメニュー表が配布されており、乗車中は(基本的には)いつでも注文できます。

地酒などのアルコールから、軽食・おつまみ・デザート、お土産用のグッズまで盛り沢山。

机上にはポップもあります。どれも美味しそう…!

私は上述の通り食事を予約しており、すでにお腹がいっぱい。でも何か頼みたいな〜と思って「すだちサイダー(450円)」を購入しました。

瓶・グラス・コースターを持ってきていただきました。開栓すると、よく揺られたからかソコソコ吹きこぼれてしまいましたのでご注意ください。(前の人が注文したときは大丈夫だったからたまたまかな?)

シュワシュワ~な瞬間。スッキリ爽やかで飲みやすい!!すだちサイダーとても美味しかったです。これは風呂上がりにぴったりな味だ。

余談ですが、これ何だと思います?

そう、伝票です。伝票すら木のデザイン。かぁ〜、こんなところまでオシャレにしてくれちゃって。これごとお持ち帰りしたい気分でした(絶対ダメ)。

ちなみにコースターはお持ち帰りできます。フッフッフ。実はこれを狙って飲み物を頼んだのです。これも立派な四国まんなか千年ものがたりのグッズ。飲み物も楽しめてお土産も貰えるなんて有り難い。

四国まんなか千年ものがたり【絶景の車窓編】

さぁ、いよいよ最後の章です。ここでは四国まんなか千年ものがたりの最大の魅力、車窓からの絶景をお楽しみください!!

ふと窓を見れば、美しい山々

伊予灘ものがたりは「海の絶景」が素晴らしい。一方で四国まんなか千年ものがたりは「山の絶景」が素晴らしい、と感じました。

「まんなか千年」という名のとおり四国のド真ん中、香川〜徳島を運行しています。

車窓から遠くを見れば、だいたい山が見えます。進行の途中ではまさにその山の中を突っ切って行くわけですが。

あぐ
あぐ

元々は通行できないような山道も、人間が利便性を求めて切り開いていったんだなぁ…

と感慨にふけることができるでしょう。人間の作業力の高さに驚きです。先人たちに感謝です。

一方で、あまりに広大過ぎるその大自然に、人間とはいかに小さな存在であるかを再確認できます。

う〜ん。これは「おとな旅」ならではの趣があるなぁ。

前面展望からの眺めも必見!

ちなみに前面展望もすごくオススメ

多度津〜大歩危間にトンネルは36個もあるようです。そのトンネルに入る瞬間の吸い込まれるようなドキドキ感・出る瞬間の「どんな景色が広がっているんだろう」というワクワク感がたまりません。

もちろんトンネルじゃなくても、緑に囲まれた中をひたすら突っ切っていく様子は大人でも楽しむことができるでしょう。

自席で一息ついたら、前面展望まで足を運ぶことをオススメします。

秘境駅「坪尻駅」付近の滝壺

坪尻駅付近では、列車のほぼ真下に流れる滝壺を観賞できます。上から滝壺を眺めるなんて、なかなかできない経験です。

こういうフォトスポットでは速度を減速して撮影しやすくしてくれるのも観光列車の嬉しいところ。ぜひベストショットを狙ってみてください。(ガラスの反射調整がなかなか難しい…!)

吉野川を横断!吉野川橋梁からの絶景

すなふ撮影。川の透き通った様子がわかる。

阿波池田駅〜大歩危駅のあたりでは、美しい吉野川を何度か横断します!これがまた本当に絶景。

川を横断するにあたって橋梁(きょうりょう)を渡ります。多度津〜大歩危間に橋梁はなんと146個もあるそう。

橋梁を渡る瞬間の前面展望もぜひ写真に収めてください。とっても良い写真が撮れます。

こちらはまた別の橋梁。この構図、なんか好きなんですよねぇ…。普段は横からしか見ることができない橋梁を真正面から捉えられる貴重な機会だからでしょうか。

橋梁を進んでいる瞬間も良い!!良いよ!!最高だよ!!

もちろん渡っている最中の川の景色も美しいです。でも顔は一つしかありません。

橋梁を正面から見るべきか、側面の窓から川の景色を見るべきか…これが非常に悩ましい!!顔が二つ欲しい!!

すなふ撮影。僕が正面に夢中になっている間に側面の写真を撮ってくれてありがとう。

こんなワイルドな景色、普段見ることがないからな…。こういう瞬間に旅行って良いなと思うのです。

フィナーレにして最高の絶景!大歩危峡の渓谷美

多度津→大歩危の「そらの郷紀行」の場合、フィナーレが最高の絶景ポイント。そう、大歩危峡です。

すなふ撮影。
あぐ
あぐ

うわぁあ…しゅごぃ…

山の合間を流れるエメラルドグリーンの吉野川。まるでモンスターハンターの世界のような、幻想的な大自然の風景です。

この先はどこまで続くんだろう…。よく見ると、川辺はゴツゴツした岩が目立ちます。自然の力で荒削りされた岩たち。こんなに離れているのに迫力が伝わってきます。

水の流れも速いようですね。こんな景色を眺めながら、ただひたすらボーっとする時間があったらな…。全身からマイナスイオンを吸収できそう…。

すなふ撮影。

近くには車道もあります。ドライブをしながらでもこの景色は見ることができますね。あ、いや、でも運転手は脇見運転しちゃダメですからね。

そういう意味で、やっぱり観光列車が推しなんだよな…。(お酒を飲むこともできるし、同行者全員で顔を見合わせながら談笑できるのが最高です。)

四国まんなか千年ものがたり【まとめ】

こうして、最終地点「大歩危駅」に到着。多度津駅からの所要時間は約2時間30分ですが、体感時間は本当に

アッ

という間でした。

このあとは余韻に浸る間もなく特急南風・高知行へ乗り換え。大歩危駅では6分ほどしか滞在できませんでした。

しかし、この特急南風が想像を超える乗り心地だったのはまた別記事で…笑

さて、本記事のまとめに入っていきたいと思います。

他の「ものがたり」列車との比較

有り難いことに、四国まんなか千年ものがたりに乗車する約一ヶ月前に「伊予灘ものがたり」に乗車させていただきました。

ここで、伊予灘ものがたりと四国まんなか千年ものがたりの比較個人の感性で、忖度せずにまとめてみたいと思います。

海の伊予灘ものがたり、山の四国まんなか千年ものがたり

参考:伊予灘ものがたりからの車窓。

伊予灘ものがたりは海岸線に沿って運行しており、どこまでも続く水平線・夕日が海に沈みゆく様子など、海の美しい景色を楽しむことができました。

一方、何度もお伝えしているとおり、四国まんなか千年ものがたりは陸の大自然を楽しむことができます。

山々を走り抜ける四国まんなか千年ものがたりの方が、春の桜・夏の深緑・秋の紅葉・冬の白銀などの四季折々の景観を楽しむことができるのではないでしょうか。

伊予灘ものがたりはずっとBGMが流れていた

これは本当に些細な「気付いた点」なのですが、伊予灘ものがたりは走行中ずっと優雅なBGMが流れていました。

一方で四国まんなか千年ものがたりは、要所要所(たま〜に)BGMが流れる程度でした。

どちらが良いとかではないですが、まぁBGMはないよりあったほうが気分は上がりますね。(伊予灘ものがたりは本当に聴こえるか聴こえないかギリギリのBGMだったのですが、それでも無意識に優雅な気分にさせてくれます。)

四国まんなか千年ものがたりはトンネルが多い

これは顕著に感じました。四国まんなか千年ものがたりはトンネルが多い(36個)。そしてそのトンネルが長い区間が多い。

本来ならまっすぐ進めないはずの山を、穴を開けて貫通させて便利に移動するためにトンネルが存在するので、有り難い話ではあるのです。

でも、景色に見惚れていたら突然車窓が真っ暗になって、景色に見惚れたマヌケな自分の顔が突然写るので笑ってしまいます

それに、気圧差で耳がキーンってなるのが苦手な人とかは少し覚悟が必要かもしれませんね…。その点は私はあまり気になりませんでしたが。

でもね、「トンネルが多いからこそこの工夫をしているんだな」って感動したことがあります。

トンネル内での暗い車内が、美しいんです。

こんなことあります?これめっちゃ工夫してるんだと思いました。あくまで推測ですが。

四国まんなか千年ものがたりは間接照明が多めです。だからこそ、間接照明×統一された木目のデザインが、ぬくもりを感じる&お上品さを感じる&幻想的な空間を演出しているのです。

いや〜上手いことやってんなぁ!!あっぱれ!!という謎の上から目線。

これが本当にきれいなので、乗車した際はぜひチェックしてみてください。というかわざわざチェックしなくても「キレイ…✨」と感じると思います。ぜひ楽しみにしていてください。

伊予灘ものがたりの方がお見送りが多い

参考:伊予灘ものがたり乗車時のお見送り。

ものがたり列車の名物、駅員さん&沿線地域の方々からのお見送り。

前述しましたが、これ本当に心が温まります。最高です。ありがとうございます。

この有り難いお見送りの回数が、ちゃんと数えたわけではないですが、伊予灘ものがたり>四国まんなか千年ものがたりだと感じました。

その理由はおそらく、四国まんなか千年ものがたりの方が通過駅が少ない&無人駅が多いから。

基本的にお見送りは、停車駅or通過駅でしていただけます。山あいを走る四国まんなか千年ものがたりでは無人駅も多く、アクセスも難しく、わざわざお見送りのために顔を出していただくのが難しいのかなぁと思います。

それでも、お見送りをいただくこと自体は可能です。わざわざお見送りに来ていただいて、本当にありがとうございます。観光客代表として心より感謝申し上げます。これからも無理のない範囲内で続けていただければ幸いです。

四国まんなか千年ものがたりの方が左右の座席差が少ない(?)

車窓の絶景ポイントは、完全に左右平等、というわけではありません。「進行方向右側ばっかり車窓解説があるな〜」などと感じることもあるはずです。

でも、この左右差については伊予灘ものがたりよりも四国まんなか千年ものがたりの方が不公平感をなくす工夫がされているように感じました。

その工夫がこちら。千鳥配列と呼ぶそうです。2名席と4名席が互い違いになるように配席されています。これにより、自分の反対側の車窓も首を捻ればすぐに見ることができます。

これは伊予灘ものがたりにはない構造で、反対側の車窓は別のお客さんの背中の合間からしか見ることができませんでした。

まぁ立席してデッキなどに移動すればどちらの車窓も楽しめますのでご安心ください。

え?それでも「トータルでどちらの席が当たりか知りたい!」だって?そんなあなたのために、次の項目で少し解説します。あ、でも予約のときにどちらかを選ぶことはできませんのでご注意ください。完全に運です。

どちら側の座席が良いのか?

結論はこちら。

  • 駅からのお見送り・車窓解説を多く楽しみたいなら西(愛媛)側
  • 大歩危峡の絶景を楽しみたいなら東(香川・徳島)側

「進行方向右側」などと表記すると、「そらの郷紀行」と「しあわせの郷紀行」でゴチャゴチャになるので方角で表記しました。ちなみに私は今回東側でした。

駅のホームは西側にあることが多かったです。したがって駅からのお見送りを間近で見るには西側が良いでしょう。また、アテンダントさんが車窓を解説するのも西側が多かったように感じます。あくまで体感ですが。

一方で、最高の絶景スポット「大歩危峡」は東側の車窓から楽しむことができます。

どちらが良いかは完全に好みでしょうが、まぁ別に予約時に選べる訳でもないので…。

それに、反対側の車窓を見たければ席を立てば良いだけの話です。他の乗客の迷惑にならない程度に、千鳥配列のメリットを享受しましょう。

四国まんなか千年ものがたりは「おとな旅」にピッタリ。

終点「大歩危駅」にて急いで撮った写真。

こんなに長い記事を最後までご覧いただきありがとうございました。四国まんなか千年ものがたりの魅力は十分に伝わったでしょうか。

高級レストランのような内装の電車で、素敵な食事とともに美しい車窓を楽しむ。広大な自然を目の前に、現代技術の有り難さや人間のちっぽけさを感じたりして。乗客のために工夫を凝らした企業努力に感激したりして。まさに「おとな」の旅行でした

本数が少なく、人気が高いため予約は容易ではないかもしれません。しかし、人生において一度は乗っていただきたいなと感じる電車旅でした。機会があれば、ぜひみなさまも体験してみてください。

本記事が「四国まんなか千年ものがたり」について気になっている方々の何かしらのお役に立てれば幸いです。

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