行政書士試験を540時間の独学で合格した戦略。秘訣は〇〇!

行政書士試験に合格するまでの詳細な記録を公開する記事の第三弾目である。

第一弾では全資格試験に共通する「必要な物と不要な物」を解説した。試験の結果や私がどういう環境で挑戦したのかがわかる内容になっているので、とりあえず目を通しておいて欲しい。

続く第二弾では行政書士試験対策に購入した教材のレビューをした。独学で受験予定の者ならば、読んでおいて損はないだろう。

第三弾となる本記事では、私が工夫した学習戦略について紹介する。第二弾の終盤で予告したとおり、合格のために一番重要だった冊子「苦手ノート」についても解説する。ちなみにタイトルの「〇〇」とは「苦手ノート」のことである。

合格の秘訣は「苦手ノート」!

「苦手ノート」とは?

その名のとおり自分が繰り返し間違えた問題(=苦手)のみをまとめたノートである。世界で一冊だけの、自分のためだけのノートだ。

「繰り返し間違えた」の定義は人によって変えても構わないと思うが、私は4回以上間違えている問題にした。

また、一年目の試験結果を鑑みて記述問題が苦手だと悟った。そこで、私が使用した記述対策本の問題と答えもこのノートにすべて記入した。

「苦手ノート」の作り方

作り方は至って簡単。教科は気にせず、ただひたすら間違えた問題を黒字・答えをオレンジ字で記入するだけだ。赤シートでどんどん解いていこう。

「教科は気にせず」が個人的にはポイントだった。民法の次の問題で行政法、その次は憲法、その次はまた民法…というようにランダム出題される。これにより、頭がその教科に慣れきっていない状態でも正解できるか?の確認ができる。

この状態で軽々正解できるようになれば心強いだろう。試験において重要な合格要素の「自信」に繋がる。

〇✕の問題は、問題文を覚えてしまって〇か✕か判断できてしまうようになるだろう。

それではダメだ。✕の場合は理由もパッと頭に浮かぶか?をストイックに追及しよう。そのための一言解説を書き加えると良い。

記述対策も苦手ノート化した。なぜなら記述対策本は重くて携帯できないからである。

私が使用した記述対策本は385ページもある。解説が詳しいのは有難いが、いつでもどこにでも持っていくにはハードルが高い。そこで、問題文(これも原文ママだとかなりの文量になるので、2行程度に収まるように推敲した。)と解答例だけをまとめた。

記述はこれで繰り返し、ひたすら暗記した。

試験直前期には9割5分は完答できるようになっていた。

どんな時も「苦手ノート」を携帯しろ!!

こうして作った苦手ノートは、いついかなる時も携帯しよう。

精々ノート1冊分の厚さと重みなんて大したことはない。しかし中身は自分に最も必要な知識の宝庫だ。

電車の中でも開こう。一駅であっても一問は解ける

友達の待ち時間に開こう。相手の遅刻が自分のボーナスタイムに変わる。

旅行にも持っていこう。私の苦手ノートは北は北海道から南は福岡まで行ったことがある。

私はディズニーランドにも持って行った

そもそも直前期に行くなという話だが、夢の国で夢を追うのも悪くないだろう。

記述対策本をまるごと苦手ノート化した狙いもここにあった。つまり、軽いノートにしてしまえばどこにでも持ち運べる。解く機会が増える。圧倒的に増える。やがて、覚えてくる。

4回以上間違えるなんてもう無理だ。記述対策用に要件を暗記するなんて、脳がいくつあっても足りない。

そう絶望していたのに、繰り返し、繰り返し、ひたすらに繰り返し解くことで、いつか必ず覚えられることに私は感動した。

この感動を、ぜひあなたにも体験して欲しい。

ちなみに苦手ノートにも間違える度に問題に☑を付けていた。試験前日などは苦手ノートの中でも☑が多い問題だけを復習すればもう大丈夫である。

図解のものも、何度も見るうちにこれを映像として記憶した。図でまとめた方がわかりやすい場合は苦手ノートに図を書いても良いだろう。

合格のための戦略

合格に最も貢献した戦略は苦手ノートで間違いない。しかし、私の戦略は苦手ノートだけではなかった。ここからは、苦手ノート以外で工夫した試験対策について述べていく。

学習計画を立てよう

行政書士試験の挑戦を決めて最初に行ったのが、学習計画を立てることだ。特に独学受験生にとってはとても重要である。実際に私が学習計画を立てたステップを紹介する。

①長期計画をザックリ立てる

当時は自分しか見ないつもりで書いていたので字の汚さは許して欲しい。

「今」から受験日まで、どのように学習を進めるのか。いつまでに何をどのくらい終わらせておくのか、指針を必ず決めよう。ここでは「9月までにテキストと問題集を5周する」という目標にしていたようだ。

そして9月以降は過去問と模試を繰り返し演習することが当時の計画だった。ちなみに、実際はこの計画通りに行っていない。後ほど解説するが、それで良いのだ。

ここでは、とりあえず現時点での長期計画を立てて欲しい。

②長期目標達成のために逆算した中期目標を考える

①で長期目標が決まったら、次はその目標達成のために数ヵ月先に何を終わらせなければならないかを考えよう。これが中期目標になる。

ここでの例では「9月までに5周」という目標が出来た。当時11月下旬だったようで、12月から翌年9月までは10か月ある。10か月で5周するには、1周あたり2ヵ月で終わらせなければならない。

当時5周しようと思っていた問題集はこれ↑である。(この問題集の詳細なレビューはこちら。)

③中期目標対象を更に分析して短期目標を定める

この問題集は全部で285問あった。内訳は↓のとおり。

憲法50問
行政法105問
民法85問
商法30問
基礎法学15問
一般知識65問
問題集の中身

これらを、均等に解きつつ2ヵ月で終わらせる計画を立てる。

まずは憲法を終わらせて、次は民法だけをやって終わらせて…と解いていくよりも均等に全教科を毎日触れた方が良いと私は判断したからだ。

1か月で進める問題量は、全部を÷2すれば良いので↓のとおり。

憲法25問
行政法52~53問
民法42~43問
商法15問
基礎法学7~8問
一般知識32~33問
1か月あたりのノルマ

では1週間単位ではどのくらい進めるべきか?を考える。単純に考えれば↑を÷7すれば良いが…私は平日に頑張って土日はちょっと休みたい(しかし、ノー勉にはしない。)という希望があった。

ここからは各自アレンジして良いと思う。ここで伝えたかったのは、このようにして「一日あたりどのくらいノルマを定めるか」という短期目標を設定しよう、という話である。

④中・短期目標に従って実行してみる

こうして一日のノルマ・一週間のノルマ・一ヵ月のノルマを定めたら具体的に書き出して、目立つところに貼ってお

その日のノルマは何があっても達成しよう。その日のノルマが終わったら、後は好きなことを好きなだけすれば良い。最初に決めるノルマは、若干余裕があるもので良い。

ここでのステップは「必ず達成できるノルマを設定すること」「毎日勉強を継続すること」「毎日ノルマを達成できているという成功体験を積むこと」を重要視する。

逆に言えば、この時点で毎日継続できないくらいのノルマを課しているのであれば見直した方が良い。

ひとまずは勉強習慣と成功体験を身体に染み込ませよう。

⑤目標の見直しは定期的に行おう

④を実際にやってみて、余裕が結構あるなと感じたら徐々にノルマを増やしていこう。目安は1か月後くらい確実に毎日達成できるギリギリのラインを攻めていく。

ここで勉強習慣と成功体験が活きる。毎日の勉強にそこまで抵抗がなくなってきているだろうし、ノルマ達成に挫けそうになっても「今まではノルマを達成できた…!今日もできる…!」とやる気と自信が湧いてくる。

勉強に慣れてくると、だんだん勉強スピードが上がる。するとノルマが増やせる。そうしたら、中期目標が当初の予定より早く終わってしまう目途が立つはずだ。

この段階まできたら長期目標すら見直そう。無論、ハードルを上げる調整を行う。

実際に私は、なんと3月末時点(4ヵ月経過時点)で問題集を4周し終わっていた。(当初は10か月で5周が目標)

こうして私は次の新しい問題集(↑肢別過去問集)を購入し、再び長期目標→中期目標→短期目標を計画した。

そもそもこの辺りで「基本問題集(最初にやっていたもの)だけでは問題演習数が圧倒的に不足しているのでは…?」と薄々感じていた。(そしてその直感は正しかったし、この肢別問題集をこなしても足りずに一年目は惜敗したのだ。)

ここでは、中・短期目標は適宜見直しをするものだということを覚えておいて欲しい。(長期目標は見直し過ぎると軸がぶれるので、1~2回以内にしよう。)

⑥カレンダーを使って毎月ノルマを決めよう

長期目標が今度こそ定まったら、あとはそれに向けて突き進むのみ。

私のおすすめは月初にカレンダー内にその日のノルマを書き込むことだ。これさえ月初にしておけば、毎日カレンダー通りのノルマをこなせば良い。「今日はここまで」がハッキリ明示されていて楽である。

達成したら赤で消していこう。達成感が込み上げてくる。

月初にカレンダーに書き込むということは、月初毎に長期目標と「今」の距離感を見直しする機会があるということだ。「今」の自分の状況と残りの時間を考えて、中期目標である「今月」のノルマを設定・調整できる。これが功を奏したと思う。

勉強時間はどう確保する?あぐ流は「メリハリ重視」

続いての戦略は、“フルタイム勤務の社会人がどうやって勉強時間を確保するか”である。

私は朝7:30に家を出て、残業なしだと夕方18:00に帰宅している。睡眠時間を含めて残された時間は13時間30分。さぁ、この時間をどう使おうか。

睡眠時間は絶対に削るな

最初のポイントは「睡眠時間を絶対に削るな」である。

大前提、健康あっての受験ということを忘れるな。

そして健康の土台にあるのが睡眠である。逆に言えば、睡眠不足は万病の温床だ。

適切な睡眠時間は諸説あるし人によっても異なるだろうが、7時間は確保したい。

朝活のすゝめ

私は22時に寝て5時に起きて勉強していた。

これならば睡眠時間7時間は確保できている。「5時に起きて勉強」とは言っても、厳密には朝6時~7時の1時間を勉強に充てていた。私の朝のルーティンは↓のとおり。

5:00~5:15起床・洗顔・着替え
5:15~5:30風呂掃除・必要に応じて家事
5:30~6:00弁当の準備
6:00~7:00勉強
7:00~7:29朝食・身支度・トイレ
7:30レッツ出勤!

旅費の確保・健康維持のため、昼ご飯は弁当持参が必須である。朝に早起きする方法については語ると長くなるので割愛する。(いつか別記事にします。)

朝は本当に素晴らしい。頭が冴えわたっていて脳のコンディションも抜群。朝の1時間は夜の3時間に匹敵すると何かの本で読んだことがある。

確かに、仕事で疲れ切った夕方に勉強するよりもまだ何も使っていない朝の脳で勉強した方が有意義だろうと実感した。

早起きは健康習慣にも良いので朝活は勉強効率・健康増進の一石二鳥である。

通勤時間・昼休みは勉強しろ!!

18時帰宅22時就寝の場合、可処分時間は4時間しか残っていない。この間に夕食・入浴・家事・リフレッシュタイムを入れつつ、勉強ができるだろうか。

私はできない。何よりリフレッシュタイム(好きなことをする時間)は外せない。

しかしこれだと平日は朝の1時間しか勉強できない。どうしたものか…と考えたとき、見つけた。

あるじゃないか。まだ可処分時間が!!

そう、通勤・退勤時間と昼休みである。

私は職場まで電車とバスで通っている。電車・バスの乗車時間は35分くらい。この時間、乗っているだけの時間(約30分)は勉強できるじゃないか。

あと昼休みが1時間。昼食時間を除くと45分くらいある。私は普段あまりスマホでやることがなくて暇である。この45分のうち30分は勉強して残りの15分は好きな音楽とか聴いて休めば良い

退勤時間についても出勤時間と同様に30分は勉強できる。しかし実際にやってみると、退勤直後の脳では集中できなかった。ここは潔く、何もせずに過ごすことにした。(休みも大事!)

こうして私は朝活+通勤時間+昼休みで2時間の勉強時間を確保した。

平日の帰宅後は諦めることにした(直前期は除く)

健康は最大の土台。これは身体的健康だけでなく、精神的健康も無視してはならない。

帰宅後の4時間のうち、食事や家事の必須時間で2時間は使えない。残りの2時間、やろうと思えば勉強はできる。

しかし、精神的健康のためには自分が好きなことをする時間は絶対に必要である。

ここでも勉強していたら、私の輝かしい20代の人生が仕事と勉強のみになってしまう。心の豊かさを失ってしまう。果ては心の健康も損なうことになるだろう。

このようなもっともらしい理由を付けて、残りの2時間は好きなことをする時間にした。

ゲームをしても良い。動画を見ても良い。気分が乗ったら勉強しても良い。選択の自由は心を豊かにする。これは必要な時間だと割り切って、心を休ませる時間に活用した。

とは言っても、受験期直前は勉強していた。勉強すると眠くなるので丁度良い入眠儀式にもなっていた。

要はメリハリが大事なのである。長い受験期を乗り切るには健康も大事にしていこう。

休日はリフレッシュ重視。しかしノー勉はしない。

平日は1日2時間の勉強時間が確保できた。では休日はどうだったか。

正直、直前期までは土日の方が勉強時間が短かった。

平日はフルタイムで働いているため自由な時間は夜の2時間のみ。日中に遊びに行く時間・友達と会う時間・大好きな旅行の思い出がない20代の人生なんて絶対に嫌だった。

なので、土日のノルマはかなり低めに設定した。その週のノルマがすべてクリアできているなら、ご褒美として残りの時間は好きに使って良いことにしていた。これもメリハリである。

しかし、全く勉強しない日はつくらないよう心掛けたし、さすがに超直前期(11月以降)は土日も勉強に捧げた。

こうして私は2023年はほぼ毎月旅行をしていたのに試験に合格することができた。

休日こそスキマ時間を活用せよ!!

休日はまとまった勉強時間を確保しない代わりにスキマ時間を大いに活用した。

例えばお出かけの目的地に行くまでの移動時間。電車で片道1時間のお出掛けであれば、往復で2時間勉強した。

待ち合わせ場所に早めに着いたり友人が遅れる場合も勉強して待っていた。

旅行の時も空港や駅に行くまでの時間・飛行機内や新幹線内の時間(但し友人が寝てしまった後に限る)は勉強していた。

誰かと共に過ごす時間では勉強のことを忘れて全力で楽しんで、一人の時間は僅かな時間も勉強をするようにした。

これを実現するためには、お出かけ用のカバンに問題集等を忍ばせる必要がある。そのために分厚い問題集を4枚に下したり、先に述べた苦手ノート1冊を軽々と携帯するのである。

(参考)家で集中できない派なので図書館を活用した

以上が私の勉強時間確保のための戦術である。メリハリを大事に、自分の健康と思い出を大事にしつつも勉強に時間を捧げた。

余談ではあるが、私は家ではあまり勉強に集中できないタイプだった。自制心が強い自負はあるが、やはり誘惑が多すぎる。そこで、休日は徒歩20分圏内にある図書館を利用していた。

往復で40分のウォーキングになりリフレッシュになったし、軽い運動後の勉強は脳にも良いとどこかの本で読んだ記憶がある。

家で集中できない同志たちは余計なものを持たずに図書館に行って勉強してみると良いかもしれない。

【おわりに】試験を終えてみて…

本記事では限られた勉強時間で合格を掴み取るための戦術を紹介した。この記録が誰かの役に立つことを切に願っている。

最後に息抜きとして、受験後の後日談についても記録しておく。

“落ちる”に敏感になるが気にするな、受かる。

行政書士試験の合格発表は受験から約2ヵ月後である。これが果てしなく長く感じられた。試験終了後はもはや祈って待つことしかできない。

やることはやった。とにかく試験のことはもう忘れて平和な日々を過ごそう…と思っていたのに、2023年の行政書士試験終了後から合格発表までの間、やけに色々な物が落ちた

椅子に掛けた上着、タオル、会社のプリント…普段は落とさないものなのに。いや、普段から落としているのかもしれないが気にも留めていないのだろう。それだけ今回は結果にドキドキしているということだ。

2022年度が不合格だったので、また同じ思いはしたくなかった。更に一年がんばるなんて、もう考えられなかった。

自分は縁起とか願掛けとか重視しない人間だと思っていただけに、“物がよく落ちる”ことを気にしている自分カワイイな、と思った。

そして結局、ちゃんと受かっていた。やるべきことをやっていれば、どんなに縁起が悪いことがあっても結果はついてくるのだ。毎日コツコツ、自分ができることをやっておこう。

もし不合格だったら

ちなみに2022年度(不合格の年)、自分は結果発表の翌日から勉強を再開した。不合格がショックだとか、あと一年また勉強生活が続くとか、色々なことを考える前に行動した。

行動することで考えないようにしていたのかもしれない。おかげでクヨクヨする時間は全くなかった。

確かに不合格は悲しい。今までの時間・各種費用が何の結果も結ばなかったということだから。でも来年に合格してしまえば「去年の不合格は必要な過程だった」と塗り替えることができる。

自分の受験目的を思い出して、悔しさをバネにして、不合格だった原因をしっかり分析して、次で必ずリベンジを果たす強い決心を固めよう。

ちなみに私はインスタグラムで不合格だったこと・来年も受けること・来年で必ず合格することを高らかに宣言した。

もう後には引けない。次も不合格の報告なんて絶対にしたくない。そのために不合格の原因分析(私の原因は記述対策不足)をしっかりとしたうえでストイックに、コンスタントに勉強を続けた。

「受かるまで続ける」のではなく「次で必ず決める」という気持ちで心を滾らせて来年を迎えよう。あなたの人生が受験勉強だけになってしまわないように。あなたが来年に合格できるように。私はあなたを応援している。

勉強の息抜きがしたくなったら…

勉強のリフレッシュがしたい、そう感じたらぜひ私の普段の投稿を参考に旅行をしてみてはいかがだろうか。

例えば高級旅館に泊まって高級食材を堪能する↓とか。

新幹線で今まで受けたことのないVIPサービスを受けてみる↓とか。

危険ととなり合わせの大自然で感動してみる↓とか。

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