2025年5月、私は観光放水がない時期に黒部ダムを訪れました。正直なところ観光の目的はアルペンルートの景色であり、「”ついでに”黒部ダムを見ておくか」という感覚でした。

放水していないダムを見ても感動とかしないでしょ?
ところが実際に行ってみると、そのあまりの迫力に(ひとり旅なのに)大興奮!はぁ、これは人気観光地になるわけだ!と手のひらクルクル感想に大変身してしまいました。
そこでこの記事では、以下の内容をご紹介します。
- 黒部ダム観光ルートを写真付きで解説
- ダムに関心がなかった私がなぜ感動したのか
- 黒部ダム観光を検討する場合の注意点
この記事を読めば、まるで私と黒部ダムを訪問したかのような臨場感と行く前に知っておきたい知識を得ることができるでしょう。
観光放水の期間やアクセス方法などの基本事項も抑えているので、富山県の旅行を考えている方はぜひ最後までご覧ください。
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行く前に気になる!黒部ダムの基本情報

「ダムといえば黒部」と連想されるほど知名度の高い黒部ダム。186mという日本一の高さを誇るえん堤を歩いて渡ることができ、毎秒10トンを超える放水が大迫力とのことで有名になりました。

じゃあ放水がなければただの高い遊歩道じゃん…
そんな黒部ダムの基本情報から見ていきましょう。
黒部ダム(アルペンルート)はどこにある?→富山県の右端!
黒部ダムは富山県の観光名所と言いつつも、実際はかなり長野県側にあります。富山県の「立山駅」から長野県の「扇沢駅」までの間を6つの乗り物がつなぐアルペンルートが有名ですが、黒部ダムはその道中にあるんですね。
私は立山駅からアルペンルートを通って黒部ダムに到着し、扇沢駅を目指すルートでした。立山駅〜黒部ダムまでの様子は別記事があるのでそちらもご覧ください☺
黒部ダムのみにアクセスするなら長野県を起点にしよう

もしあなたが「黒部ダムだけ行きたい!」「アルペンルートは走破しなくて良い!」と考えている場合、富山県ではなく長野県を起点にすることをおすすめします。
黒部ダムは富山県にあるのですが、アクセスを考えると長野県から向かったほうが早いのです。富山スタートの場合は乗り継ぎの時間も合わせると更に時間がかかります。

乗り換えも少ないし、黒部ダムにだけ行くなら長野県から出発しよう!
長野〜扇沢の特急バスは予約制ではありません。2025年6月時点で片道4,300円です。詳細は公式サイトをご確認ください。
放水の期間は6月〜10月と決まっている!

黒部ダムの放水の期間は決まっていて、毎年6月26日〜10月15日までです。放水時間は季節によって異なり、最短でも7:00〜16:30は連続して放水しています。詳しくは公式サイトをご確認ください。
※天候などにより放水を中止する場合あり
「絶対に放水時期に行きたい!」という方は、必ず一度は公式サイトを確認して行きましょう。
私がアルペンルートを攻略したのは5月16日なので観光放水の期間外でしたが、それでも各乗り物ではギュウギュウになるほど観光客で賑わっていました。放水の期間中はもっと混雑するんだろうか…?

放水の様子もさぞかし綺麗でしょうが、放水なしでもかなり満足できたよ〜
【写真で解説】放水期間外の黒部ダムに行ってきた!

ではここから、私が実際に黒部ダムを観光した様子を豊富な写真とともに解説していきます!黒部湖駅から扇沢までの道のりについても参考になるかと思いますのでぜひ最後までご覧ください♪
黒部湖駅からスタート!観光ルートの確認

私は今回、富山県側(立山駅)から黒部ダムまでやってきました。なのでスタート地点はマップ右側の「黒部湖駅」を出た辺りです。
ケーブルカーで黒部湖駅に着くと、少し(3分くらい)トンネル内を歩きます。トンネルの出口付近にこちら↑の周辺マップがあるので、観光ルートを確認しましょう。

黒部湖から黒部ダム駅に向かうには2つのコースがありました。
難易度が低めのコース①
コース①は、えん堤を散策して「ダムレスト(休憩施設)」に行き、そこから少しの階段を上がって黒部ダム駅に行くコースです。最後に階段(60段)があるとはいえ、難易度は低めです。
体力が必要なコース②
コース②は、えん堤→ダムレストまでは同じですが、そこから264段の階段を上がって展望台へ行き、その後220段くらいの階段を下って黒部ダム駅に行くコースです。
体力が必要ではありますが、コース②の方がダムの迫力を感じられます。

もちろん私はコース②で行きました!
トンネルを出ると広大な黒部湖!

周辺マップでコースを確認した後、すぐにトンネル出口になります。ここを出ると目の前には広大な黒部湖が!!
エメラルドグリーンの湖が幻想的な雰囲気を漂わせていますね。道なりに進んでいくと、えん堤に続きます。

えん堤から黒部湖を見るとこんな感じ。パソコンのデスクトップ背景にできそうなくらい美しい景色に息を呑みます。バックの山に雪がチラついているのもこの時期(観光放水の期間外)ならではの風景ですね!

ちなみに黒部湖から180°回転するとこんな景色が広がります。The・尾根の景色ですね。どこまでも山が連なっていて、ここに取り残されたら絶望しかありません…!
ここでふと下を見てみると…


うっひゃあ高ぇ!!(歓喜)
観光放水の時期はここからザァザァと水が大量に落ちていくのでしょう。日本一の高さを誇るえん堤の迫力をこの目にしっかり焼き付けました。
写真撮影の際はカメラを落とさないように!ハンドストラップなどを付けておくと安心です。

さて、ここで私が行くコース②をおさらいしておきましょう。今はえん堤の上に居ます。ここから先の「ダムレスト」で奥へと進み、断崖絶壁に設置されている階段を利用して上へと進みます。

ワクワクしてきたぁ!!
お察しの通り、私は高いところが大好きです。スリルがたまりません。しかし、高所恐怖症の人にはコース②はキツイかな…。

いや、えん堤から下を覗くだけでかなり高さがあるのでコース①でもちょっと苦手な人はいるかも。えん堤の道幅はかなり広いので、どうしても高いところが苦手な人はど真ん中を歩きましょう。

せっかくなので黒部湖との記念撮影も忘れずに!
雪が残る山の外観って独特の見た目してなぜか惹かれますよね。なんか和の心に響く感じがします。(水墨画みたいな見た目だからかな?)
「ダムレスト」で小休憩。豊富なメニューで腹ごしらえも◎

じっくり景色を楽しみつつ、ダムレストまでやってきました。ここにはレストランや無料休憩所、展望台などがあります。ちょうどランチタイムだったので食事することにしました。

黒部ダムカレーが有名なようですが、既に売り切れてしまっていました…(13:30頃です)。なので黒部ダムラーメン(1,300円)を選択。目玉焼きが入っているラーメンなんて珍しい!

広大な自然に包まれながら食べるラーメンはまた一味違った美味しさですね。身体が塩分を欲していたのか、ツルツルっと一瞬で食べ終えてしまいました。
塩ベースのあっさりスープが美味しかったです!スープの色が若干緑っぽいのは、黒部湖をイメージしているのかな…?それともたまたま…?

ダムレストの近くには湧水が出ています。マイボトルを持っている方は水分の補充ができて良いですね!私もしっかりいただきました。水の味とかは正直ぜんぜん分からないけど、冷たくて美味しかったです。
覚悟を決めて「ダム展望台」へ向かう

さて、ここからが運命の分かれ道です。ダムレストを出てすぐ隣にあるトンネルを進むとコース①になります。表示によると徒歩5分で黒部ダム駅に到着するようですが…

私は覚悟を決めて「ダム展望台」に向かいます!コース②への挑戦です。いざ目の前まで行くと、本当に断崖絶壁で武者震いしますね…!
高所好きにはたまらない絶景!スリル満点!

細い道&細い階段をひたすらに進みます。途中の少し突き出たところに「放水観覧ステージ」がありました。放水の時期はここも人が多いのかな?

人がギリギリすれ違えるくらいの細い道のりです。かなりスリルがありますよ!!

放水観覧ステージからの景色がこちら!(スマホの広角レンズで撮影)
すごい!こうやって見ると黒部湖とダム下の高低差が一目瞭然ですね!!せめてここまででも来る価値はあるんじゃないでしょうか。私は先へ進みます。

ひたすら階段を上ります。ふと左を見れば断崖絶壁。謎の高揚感があります(←危険?)。天候に恵まれて良かった…!

少し進んでは振り返り、景色を楽しみます。ここから見ると、まるでえん堤ギリギリまで黒部湖が溢れているかのように見えますね。綺麗な景色だ。
さっきまであのえん堤の上に居たのになぁ…!

↑の赤丸で囲んでいるところが、昼食を食べたダムレストです。あそこからここまで上がってくるんですね。ダムのえん堤よりも高いので、地上との高低差200m以上は余裕でありそうです。

途中に熊出没注意を促す張り紙がありました。あぁ、確かにこれだけ大自然だと熊出るよなぁ…。え?でもこんな細い道で熊に出会ったらオシマイじゃない…?
大丈夫だとは思いますが、熊に出会わないように祈っておきましょう。

20代の若さとひとり旅の身軽さを活かして、かなりのスピードで進んでいます。あと少しでゴールの展望台!というところで記念撮影しておきました。
黒部ダムといえばこのアングルの写真ですよね!コース②を選んでおいて良かった!
展望台に到着!苦労の甲斐ある景色と達成感

ハイスピードで上ったため、ダムレストから10分で展望台に到着しました!通常のスピードなら15分くらいでしょうか。ずっと上り階段なのでさすがに疲れました…が、はやく景色を見たい!!


うぉぉおおおお!着いたぞぉおおお!!
雄大な山、幻想的な黒部湖、美しい曲線の黒部ダム、足がすくむ断崖絶壁…すべてが相まった素晴らしい絶景が広がっています!
全体像を見ると、これを人力で造り出したってすごいですね…。多くの犠牲を伴ったと聞きます。黒部ダム建設に関わってくださったすべての方に感謝の気持ちを捧げました。

長い階段を踏破したという達成感も凄まじいです。
普段生活をしていて、ここまでダイナミックな自然に囲まれたことはありません。山、湖、崖、巨大ダム…すべてを一望するこの景色にはとても大きな価値を感じました。そりゃあ人気観光地になるわけだ。

写真ではどうしても伝わりにくいかと思います。ここに立って、視界いっぱいに広がる風景や吹き付ける風、聞こえてくる音など五感をあわせた体験を通じて、私は大いに感動しました。
「放水がないダムで感動しない」「ただの高い遊歩道」なんて思っていて本当にごめんなさい。放水がなくてもしっかりと楽しむことができる観光スポットです。
展望台からバス乗り場までも意外と階段が多い

さて、展望台からの景色を十分に満喫したところで、ようやく黒部ダム駅に向かいます。ここからは下りの階段だけです。

下り階段とはいえ約220段もあるらしいので、意外と体力を使います。歳をとると、階段は上りより下りの方がキツイと言いますよね…。確かに膝にダメージが入っていく実感がありました。

途中にはベンチもあります。しっかり休憩しながら、自分の身体を労りながら進みましょう。

ちなみにこの通路内にも湧水がありました。水分補給を忘れないようにしてくださいね。

こうして黒部ダム駅に到着。扇沢行きのバスに乗って(乗車時間は約16分)扇沢駅に向かいます。黒部ダムありがとう!!
もし長野県側(扇沢駅)から黒部ダムの観光をする場合は、この逆の順路になります。最初に220段の階段を上ったら、そこは黒部ダム展望台です。あとは断崖絶壁に設置された階段を下ってダムレストを目指しましょう。
扇沢駅でできること

黒部ダムから扇沢駅までやってきました。これにてアルペンルートの全行程終了です!富山県の立山駅からスタートして(観光時間も含めて)約6時間の道のりでした。

6つの乗り物を駆使して少し疲れたけど、かなり見応えある観光コースだった!
ゴール地点である扇沢駅では何ができるのでしょうか。簡単にご紹介します。
扇沢レストハウス & お土産屋がある

まず、扇沢レストハウスで食事ができます。メニューはかなり豊富ですが、営業時間の終了が15:00と少し早めなのでご注意ください。
また、扇沢レストハウスの正面には売店があるので最後のお土産購入の機会になりますね。
記念撮影をして帰路に着く

扇沢駅のお手洗いの近くには休憩所と記念撮影スポットがありました。ひとり旅にも優しい撮影台があるので、セルフタイマーを使って記念撮影しましょう。
いつか行ってみたいと思っていた立山黒部アルペンルートに挑戦できて良かった!
黒部ダムに行く場合の注意点
最後に、実際に黒部ダムを観光した私が気がついた注意点を紹介して終わりにしたいと思います。せっかく旅行をするのなら、全力で楽しめるように事前準備しておきましょう。
高所が好きな人に超おすすめ!高所恐怖症の人にはおすすめしにくい…

黒部ダムのウリは「日本一高いえん堤のダム」です。必然的に高い場所に訪れることになります。記事内で紹介したコース②を利用する場合は吹きさらしの階段を使うことになります。
高いところが大好きな私のようなタイプであれば大いにおすすめできるのですが、一方で高所恐怖症の方は注意が必要です。
実際にコース②の断崖絶壁の階段で一組のカップルが居たのですが、女性があまりの恐怖に腰を引きながら壁にしがみついて進んでいました。

ある程度進んじゃうと、引き返すのも怖くなっちゃいそうだよね…
高所恐怖症の場合はコース①で進み、黒部ダム駅を経由して黒部ダム展望台まで抜けましょう。(約220段の室内階段を往復することになりますが…)
楽しむには体力が必須。足腰が丈夫なうちに訪れよう

黒部ダム駅側の周辺マップには階段数の記載がありました。レインボーテラスや展望台に行くには、100段以上の階段を上ったり下りたりする必要があります。
黒部ダムに行くなら足腰をしっかり鍛えた状態で(または足腰が丈夫なうちに)訪れることを推奨します。
黒部ダムがバリアフリーではない、ということではありません!↓参照

引用元はこちら。足の弱い方でも観光はできますが、私はあの断崖絶壁の階段からの景色も楽しんでほしいのです…!
スマホやカメラにストラップを付けておくと安心

ご自身のスマホやカメラにはストラップを付けておきましょう。私は自分が落ちる恐怖よりも物を落とす恐怖の方が強かったです。特に、写真撮影に夢中になって手が滑ったら…恐ろしい!
普段はスマホにストラップを付けない私ですが、こういう場所に行くときはストラップは付けようかなと思います。今回はカメラにストラップが付いていたので、高いところから手を出して撮影するときはカメラを使用しました。
【まとめ】放水なしでも大満足!黒部ダム観光のすすめ

私は今回、観光放水のない時期に黒部ダムを訪問しました。放水がないと見応えがないかな?と予想していたのですが、実際に行ってみるとその圧倒的な迫力に感動しました。
確かに、ここから放水が加わることで更に感動できるのかもしれません。しかし、観光放水の時期でないからこそ歩道が混雑していなかったり、雪が残る景色を楽しむことができたのも事実です。
「黒部ダムに行きたいんだけど、放水の時期じゃないんだよな…」と悩んでいる方がいたら、私は「それでも行ってきなよ!」と背中を押します。荒々しい大自然の中にある巨大な人工物という、歪だけれど粋な絶景があなたを待っていますよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。もし良ければ、他のアルペンルートに関する記事も読んでみてくださいね!