車の運転はできないけど、九州一周してみたい…と思ったことはありませんか?
実は、鉄道を利用すれば誰でも簡単に九州を一周することができるのです。しかも、乗る電車は一種類のみでOK。「この時間にこの電車に乗り換えて…」など難しいことは考えずに、気楽に実現可能です!
この記事では、九州を一周する電車「36ぷらす3」に乗車した様子を紹介します。詳細な料金やサービス内容を丁寧に解説するのでぜひ参考にしてください。
色々な電車に乗り換えて一周することもできるけど、「36ぷらす3」一本の方が楽だよね~
九州には観光列車がいっぱいある!
そもそも九州には普通電車だけでなく、乗車中に特別な体験ができる観光列車が多いです。移動手段と観光要素を兼ね備えた観光列車に乗ることが、私の旅の楽しみ方の一つです。まずはその一部を紹介しましょう。
九州7県を縦断する「36ぷらす3」
こちらが今回ご紹介する観光列車です!
曜日ごとに走る区間が異なり、すべての曜日に乗車することで九州をぐるりと一周できる列車です。途中駅で下車して地元の方々からおもてなしを受けたり、その日に走るルートにまつわる九州文化を車内で紹介するなど九州の魅力をギュッと詰め込んだ観光列車。キャッチフレーズは「旅する九州」です。
その魅力はおもてなしだけでなく、車内のあちこちにあります。本記事で詳しく紹介するのでぜひ最後までご覧ください!
博多〜別府を繋ぐ「ゆふいんの森」
こちら、まだ私は乗ったことがありません。
博多駅から由布院および別府駅まで運行。のどかな田園風景や清流や渓谷など、九州の多様な自然景観を楽しめるルートのようです。春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、それぞれの季節で異なる魅力的な景観を提供してくれるでしょう。
地元食材を活かしたお弁当(事前予約限定)が種類も豊富でとても美味しそう。車内販売では、軽食・デザート・アルコールにおつまみまで、バラエティ豊富なメニューが用意されています。
走るJazz Bar「A列車で行こう」
こちらも私は未経験。いつか乗ってみたい…!
「大人の旅」をコンセプトにした、列車とは思えないゴージャスな空間を提供する「A列車で行こう」。ひときわ存在感を放つバースタンドや、外の光が差し込むステンドグラスで煌びやかに彩られる車内はまるで高級ホテルのようです。
バーで販売される特別なハイボール「Aハイボール」を片手に、車内に響くJazzに耳を傾けながら景色を楽しむという他では体験できない「大人旅」ができそうな列車です。
その他の観光列車
他にも「或る列車」「海幸山幸」「かわせみやませみ」などの観光列車が盛り沢山。九州にはD&S(デザイン&ストーリー)列車がかなりの種類走っています。
九州を走るD&S列車の一覧はこちら。
人生をかけて全制覇したいですね…!!
では、今回紹介する「36ぷらす3」について詳しく見ていきましょう。
36ぷらす3で九州一周する場合の料金
一番気になるのはやはりお値段ではないでしょうか。
ここでは、5号車・6号車の座席を利用する場合の料金をシミュレーションしてみました。
36ぷらす3の1〜3号車は個室になっており、個室の場合は5・6号車よりも高い料金設定になります。
グリーン席プランを予約をした場合の料金
2024年12月現在の料金では、グリーン席プランの場合は九州一周で54,790円になります。
このグリーン席プランとは、その区間の36ぷらす3に乗るだけの料金です。食事は付いてきません。36ぷらす3に乗るための最低限の金額プランということですね。
それぞれの「路」単体で予約できます。最安値で36ぷらす3に乗車するなら「金の路」のグリーン席プランのみを予約すれば良いということですね。
ランチプランを予約をした場合の料金
もしランチプランで予約した場合、九州一周で87,800円になります。結構上がりましたね。
ランチプランとは、その乗車につき一食のお弁当が付いたプランです。名のあるシェフがその日に走るルートの地元食材を使って豪華なお弁当を用意してくれるので旅の思い出にピッタリです。
ちなみに、個室(1〜3号車)の場合と座席(5・6号車)の場合でメニュー(と料金)が大幅に異なります。個室の方はより豪華な内容になっているので、一度公式HPで確認してみると良いでしょう。
ランチプラン(食事付き)にすると一回で5,000円くらい値段が上がるのか…。
今回利用した九州一周ツアーの料金
私は今回、自力での予約は諦めました。せっかくなら全コース(木曜〜月曜)を一度で楽しみたいけれど、どこか一つでも予約が取れなかったら計画変更が難しそうだなぁと考えたのです。
観光列車の予約って人気だから難しいんだよね…
そこで利用したのが、人生で初めてとなる旅行会社のツアーでした。今回はワールド航空サービスさんの「九州一周「36ぷらす3」全線乗車の旅【7日間】」に参加させていただきました。
ツアー商品なら、確実に全コースの予約をしてもらえるからね。
そのお値段がこちら。
今までに見たことがない高額請求になりました。
こちらは2名分の料金なので、一人あたり268,000円です。なお、これは6泊7日でホテルやらちょっとしたアクティビティやらを含めた商品の金額になります。
ちなみに今回の旅の同行者は母親。そう、人生初の母孝行旅行のつもりなので全額自腹です。漢(おとこ)あぐ、爆誕。
ばーちゃんとは色々出かけたけど、おかんには何もしたことなかったからな…。
これはツアー当日に発覚したのですが、団体申込の場合は「グリーン席プラン」(食事は付いてこないやつ)しか申込みできないそうです。もし「ランチプラン」で全線乗車したい場合は自力で予約するしかないのか…。
九州一周7日間トータルでかかった費用(ツアー料金+その他すべての料金)
268,000円はあくまでもツアー代金。他にも、その期間の食事やら車内での買い物やらお土産やら、往復の飛行機代なども出費はありますよね。
7日間、まるっと支払った金額はこちら↓。
初日分が入りきっていませんが、合計で321,548円(一人当たり:ツアー代金+その他すべての費用)でした。
往復の飛行機代はANAのセールでめちゃくちゃ安く購入できたのですが、かなり高額になりましたね😭
しかし7日間の旅行であること、36ぷらす3に全線乗車できること、今しかできない親孝行と沢山の思い出ができたことを考えれば妥当だったなと感じております。
思い出はプライスレスなのさ…
36ぷらす3の九州一周コースとおもてなし内容
さて、36ぷらす3には5種類の「路」があることがわかりましたね。
実はこの「路」は、走る曜日とコース・おもてなし内容がそれぞれ異なっているのです。なので例えば「赤の路だけを予約したいな~」という場合は「木曜日に福岡(博多駅)から鹿児島(鹿児島中央駅)に向かう電車」に乗ることになります。走る曜日とコース(目的地)は決められているのです。
自身の旅行スケジュールに適した「路」を予約するようにしましょう。
- 金曜日「黒の路」は鹿児島出発なので、鹿児島着の飛行機を予約
- 「黒の路」と「緑の路」を予約する
- 「緑の路」終点は大分なので、土曜の夜は大分のホテル
- 日曜日は大分観光をして、大分の空港から帰宅
では、それぞれの「路」について詳しく紹介…したいのですが、この記事ですべてをお話すると文字数がとんでもないことになるので、ここではダイジェスト&詳細解説した別記事へのリンクを紹介いたします。
気になる「路」があればぜひ別記事をご参照ください。
1日目 木曜日:赤の路(福岡→鹿児島)
赤の路では九州の西側を縦断します。所要時間は約6時間30分。5つの路の中では最長の所要時間です。
また、赤の路では5つの路の中で最も長く海岸線を走ります。進行方向右側の席を予約すれば、自分の席から優雅に東シナ海の景色を楽しむことができるでしょう。
- 36ぷらす3にできるだけ長く乗車したい
- 海の景色を存分に楽しみたい
赤の路でどのような体験ができるか?を具体的に解説した記事はこちら↓。
赤の路の詳細記事は2025年1月17日公開予定です!少々お待ち下さい!
2日目 金曜日:黒の路(鹿児島→宮崎)
黒の路では九州の南側を西から東へ移動します。所要時間は約4時間20分。出発してしばらくは車窓から桜島を眺めることができますよ!
黒の路では「霧島神宮駅」と「大隅大川原駅」にて下車しておもてなしを受けることができます。後述しますが、5つの路の中で個人的には一番思い出に残ったおもてなしでした。
どの路も素晴らしいおもてなしですよ!敢えて、どうしても一番を決めるなら黒の路だった、というだけです!!
- 桜島を見るのが大好きだ
- どの路に乗るべきか迷っている
私イチ押しの黒の路。その詳細な乗車記はこちら↓。
黒の路の詳細記事は2025年1月24日公開予定です!少々お待ち下さい!
3日目 土曜日:緑の路(宮崎→大分)
緑の路では九州の左側を一気に北上します。所要時間は約5時間30分。この路では、日向灘の雄大な絶景を楽しむことができます。
本来は一日に2回しか電車が止まらない秘境駅「宗太郎駅」に特別下車できます。朝6:39発の次が終電の20:35発です。宗太郎駅のためだけに普通電車で来るのは憚られますが、36ぷらす3に乗れば秘境駅もしっかり観光できちゃいます。(乗り遅れ注意!)
おもてなし駅の重岡駅では5つの路のすべてのおもてなし駅の中で一番試食が多かったように感じます。(小声)
- 大自然にポツリと佇む秘境駅に行ってみたい
- たくさんの試食を楽しみたい
秘境駅と手厚いおもてなしを楽しんだ緑の路の詳しい乗車記はこちら↓。
緑の路の詳細記事は2025年1月31日公開予定です!少々お待ち下さい!
4日目 日曜日:青の路(大分→福岡)
青の路では九州の上側を東から西へ横断します。所要時間は約6時間。途中の門司港駅では、がっつり1時間の観光時間が設けられているのが特徴です。
門司港は1時間あれば最低限の観光は可能です。時間内にレトロなまちなみを存分に味わいましょう。また、門司港駅には駅員さんの制服や帽子の貸出もあるので思い出に残る記念撮影をしておきましょう。
ちなみにおもてなし駅の一つ「中津駅」では、5つの路で唯一”ゆるキャラ”がお出迎えしてくれます。門司港を含めて写真撮影が捗るコースでしたね。
- 門司港をサクッと観光しておきたかった
- 沢山のフォトスポットを巡りたい
写真撮影数が一番多かった青の路の詳細な乗車記はこちら↓。
青の路の詳細記事は2025年2月7日公開予定です!少々お待ち下さい!
5日目 月曜日:金の路(福岡→長崎)
金の路では、博多駅から佐賀県を通過して長崎県(佐世保)まで移動します。所要時間は約5時間。
肥前浜駅では無料利き酒をはじめとした、日本酒に特化したお店が数多くありました。50分かけて駅周辺を散策できるのも良かったです。
また上有田駅では面白いガチャガチャがあります。本物の陶器が手に入る「聡窯ガチャ」や、有田焼でつくられたミニチュアが出てくるガチャガチャです。お土産にピッタリ!
ちなみに私は「聡窯ガチャ」にて立派なお猪口を手に入れました!当たりらしいです!
- お酒(特に日本酒)が好きである
- 伝統工芸品のお土産を手頃な価格で入手したい
肥前浜駅周辺のまちなみの様子や、聡窯ガチャで入手したお猪口の詳細などはこちらの記事をご覧ください↓。
金の路の詳細記事は2025年2月14日公開予定です!少々お待ち下さい!
【Q&A】36ぷらす3で九州一周する場合の疑問点
さて、ここの章では私自身が乗車前に気になっていた疑問点を乗車後の私が回答します。ぜひ参考にしてください。
どの曜日(何色の路)に乗るのがおすすめですか?
- どの曜日(何色の路)に乗るのがおすすめですか?
- 超個人的には「黒の路」がおすすめでした。
大前提として、どの路も甲乙つけがたいそれぞれの魅力があって正直全部おすすめです。しかし、ここはハッキリと一つのおすすめを提示すべきだろうと考えた結果「黒の路」が選ばれました。
決め手はやはり大隅大川原駅でのおもてなし。こんなに素敵な絵はがきをプレゼントいただいて、親子の最高の思い出になりました✨(あと霧島神宮駅の柴犬ちゃんが可愛かった。)
絵はがきは先着順っぽかったので、黒の路乗車の際は要チェックです!
長時間乗車していて疲れませんか?
- 長時間乗車していて疲れませんか?
- シートが心地よ過ぎたので大丈夫でした。
1日最大で6時間の移動を行う36ぷらす3。さすがに身体が疲れるのでは…?とビクビクしていました。
しかし、シートが思った以上に快適。柔らかなクッションで身体が包まれ、油断すると眠りに落ちてしまうほど。そして定期的に訪れる途中下車観光もあり、ずっと座りっぱなしだったなぁという印象はありません。
飛行機と異なりシートベルトの着用などはないので気軽に車内散策もできます。6時間の旅路もあっという間に感じてしまうのが36ぷらす3の恐ろしいところですね。
さすがに5日連続同じ電車は飽きませんか?
- さすがに5日連続同じ電車は飽きませんか?
- 自席以外の見どころが多い&おもてなし内容が充実していて飽きませんでした。
すべての路に乗車して九州一周する場合、5日間連続で36ぷらす3に乗ることになります。いや、さすがに最終日はもう当初の感動はないでしょ…と予想していました。
ところがどっこい。全く飽きない。なんなら最終日に別れが惜しいくらい。5日連続で乗ったのに「まだ降りたくない」という気持ちで半泣きでした。
車内イベントや設備が充実していたこと、各おもてなし駅で新鮮な体験をし続けられたことが要因かなぁと分析しております。
もうほんと、最終日は36ぷらす3に愛着が湧きすぎて別れが辛かった…。
車内でおすすめの過ごし方はありますか?
- 車内でおすすめの過ごし方はありますか?
- 車内イベント全参加、車内メニュー購入、全停車駅で観光、ですね。
せっかくの観光列車。参加できるものはすべて参加することをおすすめします。車内イベントは有料のもの・無料のものがあり、私は無料のものは全参加しました。
車内での飲酒や食事も醍醐味です。せっかくなので、様々なご当地メニューを楽しんでみてはいかがでしょうか。
そして各おもてなし駅。体調に併せて降りずに車内待機もOKですが…やはり下車しておもてなしを受けましょう。それぞれのおもてなしの違いがあり、どれも楽しむことができました。最高の思い出です。
こうやって楽しんでいると、いつの間にか目的地に着いてるんだよなぁ。
【まとめ】魅力的な観光列車に乗って九州全体を楽しもう!
九州一周旅行をするなら、ただ座っているだけで移動ができる電車の利用がおすすめです。
ローカル線を使ってのんびり一周するのも良いですが、乗り換えの手間や乗車時間を考えるとハードルは高いかもしれません。そこで、九州一周の選択肢として「36ぷらす3に乗ってみる」という選択肢をご紹介しました。
36ぷらす3の車内設備を詳細に解説した記事はこちら↓。
車内設備の解説記事は2025年1月10日公開予定です!少々お待ち下さい!
長時間の電車移動を飽きさせない様々な工夫(各おもてなし駅や豪華な車内)、長時間の着座を疲れさせないフカフカの座席、乗り換え不要の便利さ。予約の大変さという唯一のデメリットさえ乗り越えれば、とても便利に・優雅に九州一周をすることができます!
この記事が九州一周の方法について迷っている方の一助になれば幸いです。もちろん、36ぷらす3はどれか一つの路に乗るだけでも最高の思い出になるでしょう。
ぜひ本ブログの36ぷらす3に関係する他記事も参考にしてくださいね☺