サフィール踊り子に乗って伊豆旅行がしたい!という熱い思いを胸に旅行を計画。せっかく乗るのだからと、普通のグリーン席よりワンランク上のプレミアムグリーン席に乗車しました。
しかし、実際に乗ってみたプレミアムグリーン席は少しがっかり…。
プレミアムグリーン席ならではの良さももちろんありますが、今回の旅行には適していなかったな〜と思ってしまいました。
そんな私の経験を踏まえて、今回の記事では以下の点について解説します!
- サフィール踊り子の概要
- プレミアムグリーン席の紹介(良いところ)
- 意外ながっかりポイント
- プレミアムグリーン席の利用時におすすめの位置

サフィール踊り子のプレミアムグリーン席は、一人旅や移動中に仕事がしたい人に適しているように感じました!
サフィール踊り子の概要

サフィール踊り子とは、東京〜伊豆急下田駅を走る全車両グリーン席の高級感溢れる観光列車です。
停車駅には「熱海」や「伊東」、「伊豆熱川」などがあり、伊豆旅行をする人の移動手段として有力な選択肢の一つですね。

「サフィール」とは「サファイア」を意味するフランス語のようです。
料金を比較してみた
全車両グリーン席ということなので、通常の特急よりも高い料金設定になっています。では具体的にどのくらい異なるのでしょうか。
以下の条件で料金を比較してみました。
- 東京〜伊豆急下田(終点)区間の料金
- 通常期のおとな料金
- 2025年2月時点の料金
- 同区間を走る「特急踊り子」と「サフィール踊り子」を比較
ちなみに「特急踊り子」にも「指定席」と「グリーン席」があります。今回は①踊り子指定席②踊り子グリーン席③サフィール通常グリーン席④サフィールプレミアムグリーン席の4パターンで比較します。

乗車時間は2時間30分〜2時間40分の範囲で、どちらも大きく変わりません。※臨時便は除く

①と④で料金が2倍も違うんだ…!
熱海や伊東など、サフィール踊り子の他の停車駅の料金についてはこちら(公式HP)からご確認ください。
サフィール踊り子の外観

サフィール踊り子は外観がとても美しかったです。
近未来感のある顔。車両のメインカラーは濃い青に数滴の緑を足したような品のある色合いです。写真ではなかなか伝わりにくいかもしれません。

暗い所ではダークブルー、光が当たるとコバルトブルーになります。本物のサファイアも光の加減で色が異なって見えるのかしら。


車両連結部分にあるバネのようなものは、揺れを低減する装置だよ!
なるほど、このようなところから快適な乗り心地を設計しているのか…。
今回の旅の同行者「シン」は電車オタクなので知識豊富です。

ではさっそく、サフィール踊り子に乗ってみましょう!
ちなみに全車両グリーン車なので、すべての車体にこのグリーン席マークが付いていました。「プレミアム」が付く1号車には、通常のグリーン席マークの隣に宝石のようなマークもありました。
サフィール踊り子の中の様子

車内はこんな感じの8両編成です。1号車はプレミアムグリーン席、2・3号車は個室(1〜6名利用可能)、4号車はカフェ、5〜8号車は通常のグリーン席になっています。

通路はこんな感じで、きれいなオフィスみたいな空間です。車椅子の方が利用できるトイレもありました。

こちらは4名定員の個室。東京〜伊豆急下田間を4人で利用する場合は1人あたり10,260円です。これはサフィール踊り子の通常グリーン席と同じ金額!
もし4人集まるのであれば、個室の予約を狙ったほうが快適に過ごせるでしょう。

利用人数が減ると1人あたりの金額は上がっていくのでご注意ください!

こちらは6名定員の個室。この日は平日の夕方(伊豆急下田→東京行き)だったこともあってか、個室はかなり空きがありました。
こちらも6人で利用する場合は1人あたり10,260円になります。でも6人入るとさすがに少し窮屈そう…?

ここから先は通常のグリーン席です。通常のグリーン席も十分に座り心地が良さそうでした。
この文章を書いているときに気がついたのですが、車内にAEDがあるって凄いな…。
車内にあるカフェテリア

こちらはサフィール踊り子の4号車、カフェテリアの様子です。
カウンター席は海方向を向いており、食事を楽しみながら優雅な時間を過ごすことができそう…。と思ったのですが、このカフェテリアを使うには条件が少し厳しいようです。
- 一品2,000円以上の「メイン料理」を購入すること
- カフェテリアの席は20分しか使えない
- 「サフィールPay」でのインターネット事前購入が推奨されている*
*販売数に余裕があれば、カフェテリアでの直接購入もできるようです。
ちょっとしたツマミやドリンクを購入した場合は自席で食べなくてはならず、デザートメニューが食べられる便は限られていることも辛かったです。

せっかく素敵なカフェテリアなのに、使うハードルが高いよ…
あらかじめ決められたタイムテーブルの20分以内に急いで食べなきゃいけないのはもったいないし…そもそも好きな時間にフラッと立ち寄ってサッと購入できるのがカフェテリアの良さでは…?と考えてしまい、結局私はカフェテリアを使わず終いでした。
プレミアムグリーン席でできること

おまたせしました。ここからは1号車のプレミアムグリーン席について詳細にレビューしていきます。
プレミアムグリーン席の全体の雰囲気


う、美しい…!!
一席ずつ独立した革製シート、通路は木目調で座席部分の床は青い絨毯。車体側面の上部にまで窓がついており、上品な明るさで車内が照らされています。
他の車両と比べても高級感が段違いです。VIP体験に心が踊ります。

車両の先頭部分には荷物置き場がありました。特に予約は必要なさそうです。大きなスーツケースなどがある場合はとても嬉しい設備ですよね。

後ろから見るとこんな感じ。コンサートホールのような、厳かで上品な空間です。
シートに座ってみた景色

今回の席は2Aでした。東京方面の場合、後ろから2番目の席です。
ふと目線を上げると普通の電車にはない高い位置に窓があり、空模様を眺めることができます。荷棚が上にないことも相まって開放感がありますね。

前の座席に可動式のフックがあり、そこに衣類などを引っ掛けることができます。

前の座席の下側に収納スペースがあります。上に荷棚がないので、ここに荷物を入れましょう。

リュックであれば余裕で入る大きさがあります。

窓側(A席)の場合は壁にもフックがありました。引っ掛けるタイプの荷物が多い場合はA席を予約するほうが良いかもしれません。
プレミアムグリーン席の機能を紹介

手元にはリクライニング用のコントローラーがあります。

こちらがリクライニング前の座席で…

リクライニングするとこんな感じ。座席が沈み込むように倒れていることがわかります。バックシェル構造なので、倒すときに後ろの人を気にしなくてOKなのも嬉しい。
コントローラーを見ればわかる通り、フットレストだけ・座席だけを可動させることもできます。お好みの角度に調節しましょう。

リクライニングした座り心地は超快適!気を抜いたら眠ってしまいそう…。

右側の肘掛けにはテーブルが収納されています。肘掛け部分にドリンクホルダーがあるため、テーブルにはドリンク用の窪みはありませんでした。

座席の後ろ側には見慣れないレバーがあります。
このレバーを引くことで、他の電車には見たことがない特別な機能が使えるようになるのです。

なんと、窓の景色が見やすいように丁度よいところまで回転させることができます!これはすごい!

高級ソファでくつろぎながら伊豆の海を眺めるという最高の贅沢時間を過ごすことができるのです。

通路側(B席)の座席も窓側に向けて回転させることができますよ!
これこそがサフィール踊り子のプレミアムグリーン席にのみ与えられた特権機能です。ちなみに回転は最大180度できるので、4人のボックス席のような形に動かすこともできます。
まぁそれなら4人個室を予約すれば良いか。
プレミアムグリーン席でがっかりしたポイント
高級感に溢れ、テンション上がる回転機能まであるサフィール踊り子のプレミアムグリーン席。しかし、実際に利用してみると「これはちょっと残念…」と思ってしまったポイントがありました。
座席の回転には後ろの人への声掛けが必須

サフィール踊り子プレミアムグリーン席の最大の特徴「座席角度の変更」ですが、大きなデメリットがあります。それは、後ろの利用者への声掛けが必須であること。
自分の座席の背面には、後ろの利用者が使えるフックや足元の荷物入れがありますよね。もちろんそれらの角度も変わってしまいます。
したがって、回転の際は一声かけるべきでしょう。また、頻繁に座席の角度を変えるのは後ろの利用者にとっては迷惑になってしまいます。

バックシェル構造でリクライニングのときは気にしなくて良いのに、これだったら結局後ろの人のことを気にして過ごさないといけないじゃん…。
思ったよりも足元のスペースが狭い

フットレストを起動させると快適なのですが、前の座席との間隔が狭いのでご注意ください。
前の人が正面を向いているのであれば、足元の荷物スペースに足を入れておけば良いのですが…

前の人が窓側に回転させ、自分が正面のままの場合は右足が屈折します。

前の人の角度によって快適さが全然違う!笑
せっかくのプレミアムグリーン席なので、前の人に「座席回転させて良いですか?」と聞かれたらもちろん快諾します。しかし、それで(不可抗力で)足元の快適さが左右される構造なのは少し残念ですね…。

じゃあ自分も回転させよう!
とやってみても、フットレストを上げているとどうしても足が壁にくっついてしまいますね。窓側に座席を向けるときはフットレストを起動させないほうが快適でしょう。
A席の場合、席を立ちにくい
これは通路側(B席)の場合は気にしなくてOKですが、窓側(A席)の人は隣が知らない人なら席を立ちにくいということも覚えておきましょう。
A席の人が通路側に行くには、B席の前を通らなければなりません。

ですが、先程述べたように足元のスペースは狭いです。B席の人がご覧のようにフットレストを上げてくつろいでいらっしゃる場合は、これを一度下げていただかないと通れないのです。

写真のようにフックにも荷物があったらそれも外して貰わないとね…
今回の隣は友人だったので問題なかったですが、知らない人なら申し訳ないですよね。しかももし、その人が眠っていたら…。わざわざ起こすのも気が引けます。
プライベート空間ゆえの孤独

先ほど「コンサートホールのような雰囲気」とお伝えしました。高級感、上品さもそうですが私語しにくい雰囲気までそっくりです。
これは私が乗車したタイミングだけなのかもしれませんが、車内はとても静かであまり会話が聞こえてきませんでした。聞こえたとしてもコソコソと話すような感じ。こんな空気感では談笑はできません。

また、バックシェル構造によりプライベート空間が提供されていますが、逆に言えば隣が友人であっても容易に顔が合わないです。
ゆっくり休んで過ごしたい方にはピッタリですが、友人との会話を楽しみながら過ごしたい人にとっては適さない構造でした。
プレミアムグリーン席の予約時におすすめの位置
以上のようなデメリットも踏まえ、サフィール踊り子のプレミアムグリーン席を利用する場合におすすめの座席位置を考察してみました。
皆さんが利用する際のお役に立てば幸いです。
座席角度を頻繁に調節したいなら一番後ろの席
せっかくの座席角度調節機能、たくさん動かしてみたい!
という好奇心旺盛なあなたはプレミアムグリーン席の進行方向一番後ろの席がおすすめです。
- 伊豆急下田行きの場合は「10番」の席
- 東京行きの場合は「1番」の席
窓側を狙うなら、伊豆急下田行きなら偶数席・東京行きなら奇数席
これは窓の設計の問題なのですが、窓側を選ぶならおすすめの席があります。

窓の形にご注目ください。二枚のガラスが一つの窓枠にハマっていますね。つまり、この二枚ガラスの後ろ側の方が見える景色の面積が広くなるのです。

私のように、東京行きのサフィール踊り子で偶数席(=二枚ガラスの前側の席)に座ってしまうとちょうどフレームの位置になっていまいます。
首を90度動かせば窓から景色が見えますが、できれば45度くらいの方向の景色も見ておきたいですよね。
- 伊豆急下田行きの場合は偶数席
- 東京行きの場合は奇数席
このように席を選べば、二枚ガラスの後ろ側の席に座ることができますよ。
邪魔されず過ごしたいならA席(窓側)
先ほど解説したように、B席(通路側)に座っているとA席の人が出歩くときに足元のスペースを空ける必要があります。
「乗車中にどうしても声をかけられたくない!」「フットレストを動かすのが面倒!」という方はA席に座ってしまいましょう。しかし逆に、自分が出歩きたいときはB席の人に声をかけなければなりません。
自分はあまり出歩くつもりがなく、邪魔されずに眠りにつきたいときなどはA席がおすすめです。
トイレやカフェテリア利用で頻繁に移動するならB席(通路側)
逆に、頻繁に出歩くつもりの場合(私のようにトイレが近かったり、カフェテリアを利用したい場合)はB席(通路側)を取っておく方が良いでしょう。
A席に座ってしまうと、出歩く度にB席の人にお声がけしなければなりません。

ご自身の状況に合わせてベストな席を選んでくださいね!
【まとめ】サフィール踊り子のプレミアムグリーン席は一人旅向け

サフィール踊り子のプレミアムグリーン席に乗車して感じたメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
- コンサートホールのような上品な空間で異動できる
- 座り心地がとても良く、眠ってしまう
- 座席が回転し、伊豆の海岸線を優雅に楽しむことができる
- 静かな空間なので仕事や睡眠が捗りそう
- 座席の回転には後ろの人の声掛けが必要
- 足元のスペースが狭い
- 前の人の角度によっては足の位置が辛い
- A席の場合、席を立ちにくい
- 談笑ができない
私は今回「友人との二人旅行」という条件だったので、談笑しにくい空間であったのは残念です。しかし逆に言えば、一人でゆっくり過ごしたい人には適しているはず。
車内でバリバリ仕事したい・ぐっすり眠りたい・一人旅を満喫したいという人にはプレミアムグリーン席がおすすめです。一方で、友人と談笑したい・静かな空間が苦手という人は通常のグリーン席や個室の方が適しているように感じました。

プライベート空間を確保している(バックシェル構造)割には行動(席を立つ、席を回転させる)のときにコミュニケーションが必要な点、せっかく景観の良いカフェテリア車両があるのに利用条件が厳しくてガラガラだった点はもったいないよなぁ…。

でも1回は記念で乗りたかったし、寝落ちするくらい快適だったよ!

まぁたしかに乗り心地は最高だった。次は個室を取ってみたいなぁ…!
この旅行記がどなたかの参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。
もしよかったらトップページから他の旅行記も読んでみてくださいね。
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