5日間かけて九州を一周する観光列車「36ぷらす3」。本記事では月曜日に博多→佐世保を運行する「金の路」についてご紹介します!
※他のルートについてもそれぞれ解説記事を作成しています。詳細はこちら。
- 金の路の所要時間・運行ルート・料金などの概要
- 50分下車観光ができる肥前浜駅周辺の解説
- 金の路で体験できるおもてなしの詳細
を豊富な写真とともに詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

金の路は日本酒や陶器など、大人が喜ぶおもてなしが多かったです!
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金の路の概要
まずは金の路の基本情報についておさらいしておきましょう。
「そもそも36ぷらす3ってなに?」という方は、こちらの記事↓を先に読んでいただくと良いかもしれません。
金の路には「佐世保行き」と「博多行き」の2つのコースがあります。本記事は「佐世保行き」の乗車記となっており、「博多行き」のものとは時刻・下車駅等が大きく異なりますのでご注意ください。
特徴:種類豊富な日本酒の販売と、有田焼のお土産が手に入る
金の路の特徴はこちらの2つ。
- 肥前浜駅で種類豊富な日本酒と出会える。50分間の散策も楽しい。
- 上有田駅でお土産にピッタリな有田焼が手に入る。
肥前浜駅では無料利き酒をはじめとした、日本酒に特化したお店が数多くあります。きっと好みの日本酒が見つかるはずです。また、レトロな雰囲気が漂う肥前浜宿のまちなみを散策できるのも楽しみの一つ。
上有田駅では有田焼の陶器がズラリと並べられており、手頃な価格で購入できます。注目すべきは1回1,000円で本物の陶器が手に入る「聡窯ガチャ」。私は見事に有田焼の盃をゲットできました✨️

あの有名な有田焼ってここが発祥なんだ〜、と勉強になりました。ガチャで立派な盃も手に入ってご機嫌です。
(佐世保行きの場合)出発は福岡県・到着は長崎県ですが、おもてなしは佐賀県。佐賀県の観光を楽しみつつ長崎県まで移動できるという、観光列車の強みを存分に活かした金の路をぜひお楽しみください。
金の路(佐世保行き)の運行コース

金の路は「佐世保行き」と「博多行き」の2つがありますが、今回は「佐世保行き」についてのみ解説します。始発駅は博多駅。
そのまま南下して佐賀県に入ると、最初のおもてなし駅である肥前浜駅(約50分)に到着します。肥前浜駅には50分の停車。その間に駅前の出店を楽しんだり、肥前浜宿のまちなみを散策したりしておきましょう。
肥前浜駅を出た後は長崎県の県境付近まで移動し、上有田駅で再びおもてなし(約15分)。駅舎内にて有田焼の販売があるのでお土産を見繕いましょう。
上有田駅を出て30分程度で終点の佐世保駅に到着します。
金の路の料金:グリーン席プランは全ルートで最も安い!
金の路の料金は以下のとおりです。グリーン席プランは36ぷらす3の中で最安値です。(ランチプランの最安値は「黒の路」)
グリーン席プラン | 7,270円 |
ランチプラン(座席) | 14,300円 |
ランチプラン(個室) | 19,300円 |
※博多〜佐世保利用の場合。最新の情報や大分駅で下車の場合は公式HPにてご確認ください。
※この表は2025年1月時点・大人の料金です。

グリーン席プラン・ランチプラン(座席)は5〜6号車、ランチプラン(個室)は1〜3号車になります。
グリーン席プランは食事が付かないので、車内で軽食を購入する or 事前に自分で用意しておきましょう。私は旅行ツアー商品で利用したためグリーン席プラン+食事は旅行会社が用意したお弁当になりました。
金の路 乗車レビュー
ここからは私のリアルな乗車記になります。内容は2024年11月11日に乗車したものです。たくさんの写真とともに、金の路の様子をご紹介します!
なお、車内設備等のレビューは別記事↓がございますのでそちらをご覧ください。
11:23 博多駅を出発

出発時刻は11:23なので、午前中に少しだけ時間の余裕があります。駅ビルでお土産を探すも良し、博多駅周辺をプチ観光するも良しですね。

私は午前中に「櫛田神社」と「東長寺」の散策をしましたよ!

36ぷらす3の電車旅もいよいよ最終日。5日間も同じ電車に乗っているのに「え?もう今日で終わりなの?」という感覚でした。最終日も余すことなく楽しむぞ…!!

乗車してしばらくすると、リーフレット・記念乗車証・乗車シールが配布されます。
リーフレットを開くと、金の路にちなんだ「九州の金にまつわるエピソード」が細かく紹介されています。読み物として普通に勉強になり、九州観光の一助になるでしょう。遂に5つの路・すべてのリーフレットがコンプリートしました!!
今回のおもてなし駅である「上有田」のガイドブックも付いていてなんだかちょっとお得な気分になります。

記念乗車証も「金の路」仕様で金色ベースです。裏面には記念スタンプ(3号車にあります。)を押す台紙になっています。

改めてこうやって全種類を並べると圧巻ですね。あぁ、全部の路に乗ったんだな…。あのときの思い出がフツフツと蘇ってきます。

私のコレクター癖も満たされて大満足です!!
どれか一つの路だけでも十分に楽しめる「36ぷらす3」ですが、一つのリーフレット・記念乗車証を貰うと他の種類も集めたくなっちゃいますよね…くぅ〜!良い商売してるぜ!!
12:10 旅行会社が用意したお弁当で昼食(地酒も購入)

前回記事でも説明しましたが、今回はツアー会社経由での予約。この写真は金の路ランチプランのお弁当ではないことにご注意ください。
ツアー会社の添乗員さんに確認したところ、ツアーによる団体予約の場合はランチプランで予約できないとのこと。

こちらはなだ万さんの「ローストビーフときのこ御飯のお弁当(2,376円)」だと思われます。ローストビーフ用のタレも別添で用意されていて(しかも量が多い!)とても美味しかったです。

赤の路のときと同じお弁当屋さんでした。創業190年以上、超老舗の腕前は伊達じゃない…!
36ぷらす3の利用料金を抑えたい場合、グリーン席プランを予約してお弁当は自分で用意するスタイルを推奨します。高級弁当を用意すれば旅のクオリティを下げずにコスト削減できますね。

ハイクオリティなお弁当にはお酒が欲しい…ということで佐賀県の日本酒「東一(あずまいち)(850円)」を購入。
甘口で飲みやすく、喉越しではアルコールを感じないのでスーッと飲めてしまいます。でもしっかり15度あるのでご注意ください…!
カウンターテーブルがあり、並んで景色を見ながらゆったり食事ができる(座席のテーブルより広い!)のでお弁当は4号車で食べることをおすすめします。

4号車は意外と空いていました。
12:44 肥前浜駅にて最初のおもてなし

昼食を終えたあたりで最初のおもてなし駅「肥前浜駅」に到着。レトロな駅舎と記念撮影スポットがお出迎えしてくれました。
この駅では約50分間停車します。駅前に用意された出店でお土産を買ったり、駅となりにあるBarでお酒を楽しんだり、肥前浜駅周辺の「肥前浜宿」のまちなみを散策するなど、やることがいっぱいです!!

私はまず、肥前浜宿のまちなみ散策に出かけました!
肥前浜宿のまちなみを散策してみた(30分間)

鎌倉・室町時代にさかのぼる古い歴史を持った町で、港町・宿場町として栄えていたようです。現在も大型酒蔵が建ち並んでいたり、多くの白壁土蔵や茅葺町家などの伝統的な建物が残っていました。

日本酒好きなら知っている「鍋島」もここで製造されています。

鍋島は2011年に開催されたインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)の日本酒部門で最優秀賞の「チャンピオン・サケ」を受賞しています…!
どこか懐かしく感じるまちなみです。しかし、この貴重なまちなみは次第に壊れたり無くなったりしており、個人の力だけでは維持できないところまできているとのこと…。

肥前浜宿にあったゲームセンターのUFOキャッチャーは1プレイ10円という破格でした。UFOキャッチャーの練習にちょうど良い?(でも景品は別にいらないかも。)

なにか有名な観光地があるわけではないけど、歩いているだけで心落ち着く静かなまちでした。昔の日本を感じてみたい方はぜひ足を運んでみてください。

僕が爺さんになる頃には、こういう景色もどんどん減っていくのかな…。
駅前で日本酒の利き酒に挑戦!

36ぷらす3の停車に合わせて、地域の方々がいろいろなものを用意してくださっていました。その一つがこちらの「利き酒」。参加費無料で嬉しい。
用紙に書かれた味のヒントを基に、1〜3番の日本酒がどの銘柄かを予想します。

いや〜酒の味の違いなんてわからないよ…と弱気な私でしたが、なんと全問正解できました。本気で飲み比べると「こっちが甘口か…」とわかりやすかったです。
1つでも当たればガチャガチャを回すことができます。目玉景品は日本酒ですが…

私はボールペンでした。うん、これ絶対残念賞だわ。日本酒が当たることを期待してたのにな〜。人生そんなにうまくいかないようです。

ちなみにオカンも参加して全問正解してました。すごいな。オカンの景品は佐賀の海苔。こっちの方がボールペンより上じゃないか、悔しい。
海苔は今まで食べた中で一番のパリッパリ具合。何も味付けしていないのに美味しい、香りも素晴らしい一品でした。
肥前浜駅にはたくさんの出店が用意されていた

駅前にはたくさんの出店もありました。地元のお菓子やジュース、お酒やおつまみなど。私はこのとき満腹だったので買わず終いでしたが、お土産になにか買っておけば良かったかも。

肥前浜駅の隣にはBarもありました。こちらは36ぷらす3の停車中に限らず営業しているようです。
日本酒バーとなっており、佐賀県の日本酒をリーズナブルな価格で楽しむことができます。停車時間が残り僅かだったので購入は諦めました。時間があったらここでもゆっくり過ごしたかったな…!
Googleマップ上でのレビューも高評価なので、肥前浜宿の散策に行かない場合はこちらで過ごすのも良さそうですね!
13:50 金の路エピソード紹介

36ぷらす3では、旅の終盤に4号車にてアテンダントさんによるエピソード紹介があります。今回の金の路では終盤というより中盤でしたがね🤔
金の路の場合は、九州の金に関するエピソードが紹介されます。最初に配布されたリーフレットと同様の内容ですが、写真や動画付きで途中にクイズがあったりと、対面ならではの工夫が施されています。
木曜日の赤の路から始まったエピソード紹介も、今回で終了。5日間で合計35個のエピソードが紹介されました。次は我々乗客自身が36番目のエピソードを語る番、ということですね。

私はこのブログでの「乗車記」が36番目のエピソードです。
ちなみに4号車には専用のメッセージカードがあり、そこにメッセージを書いて乗務員さんにお渡しするとこのエピソード紹介時間に読み上げてくださります。
同行者への日頃の感謝の想いをコッソリ書いてこの場で読み上げてもらう、という粋なこともできますのでぜひご検討ください。私は恥ずかしくてできませんでしたが。(オカンへの感謝の手紙とかはもう少し歳をとってから考えます。)
14:23 武雄温泉駅に停車(25分間)

続いては武雄温泉駅に停車しました。ここで何かおもてなしされるわけではありませんが、36ぷらす3の乗客は改札を出て散策することが許されます。

改札を出ると、少し大きめのお土産屋さん(観光案内所)があります。ここでお買い物している人も大勢いました。

私はウィンドウ・ショッピングを楽しみました。
36ぷらす3の最期の乗車日なので、お土産は車内販売のものを買おうと決めていたのです。

購入したのはこちらの特別コースター(1,100円)。裏面がラバー素材で滑り止め性能がかなり高いです。もったいなくて使っていません。(使わないほうがもったいないか…?)
36ぷらす3の車内でしか購入できない、思い出の一品ですね。
15:30 上有田駅でのおもてなし

武雄温泉駅の次に停車するのは、おもてなし駅の「上有田駅」。ここの停車時間は15分というかなり短めの設定です。小さい駅ですが、見どころはたくさんありました。

駅のとなりにある小さなお店。こちらでは名物「粉雪(500円)」が購入できます。粉雪ってなんじゃそりゃ?と思いながら購入すると…

なんとも美味しそうなかき氷!いいえ。厳密には「氷」ではありません。牛乳をマイナス50度で瞬間冷凍させたものを薄く削っているようです。
たしかに、シロップがかかっていないのにほんのり甘い味がします。口に入れた瞬間にフワフワと消えていく氷…ではなく牛乳。不思議な食感でした🤔
私は少し甘さが物足りない感じがしましたが、オカンは「美味しい!」と絶賛していました。気になったらぜひ一度ご賞味ください。
上有田駅で「聡窯ガチャ」に挑戦
ここ「上有田」の「有田」は、「有田焼」の「有田」です。
駅舎内ではたくさんの有田焼商品がズラリと並んでいました。手頃な価格から高級なものまで…その中で、こんな面白そうなものがありました。

有田焼で造られた置物や食器などが当たるガチャガチャです。普段ガチャガチャはやらない私ですが、これにはとても興味を持ちました。
どうせなら実用性がある商品が出てきそうな「聡窯ガチャ」に挑戦。1回1,000円です。出てきたカプセルの中に紙が入っており、そこに記載の景品と交換できます。

じゃーん!盃が当たりました!!
お店の人曰く、これは結構な当たりらしい。やったね。有田焼の陶器なんて一つも持っていなかったので、とても良いお土産になりました。
皆様もぜひガチャガチャで運試ししてみてください。ちなみにオカンはストラップ(残念ながらハズレ枠)を引いていました。まぁ利き酒で海苔引いてたし、これでおあいこかな。
16:13 佐世保駅に到着。36ぷらす3の電車旅が終了。

上有田駅を出て約30分、ついに終着点の「佐世保駅」に着いてしまいました…。
金の路としては約5時間の旅、36ぷらす3の累計所要時間は約27時間30分の旅が遂に終わってしまったのです。何度も言いますが、本当に本当にあっという間でした。
乗る前は「3日目くらいには飽きてるかもw」「乗って2時間くらいで座り疲れてそうw」と考えていましたが、まったくそんなことはありません。乗客を飽きさせないための工夫・乗り心地を良くするための工夫が随所にあり、いつも「気がつけば終点」でした。

別れを告げる「回送」の二文字。降りるのがとても名残惜しかったです。もはや別荘かなにかだと勘違いしてしまいそうな居心地の良さでした。

思い出いっぱい、お土産いっぱいの36ぷらす3全線乗車の旅。初めての親孝行、オカンとの二人旅。決して安くはない金額でしたが、このタイミングで行くことができて本当に良かったなと思います。
【まとめ】ちょっぴり大人向けな金の路

36ぷらす3の金の路に乗車してみて、こんな人におすすめだなと思いました。
- 日本酒が好きである。
- 歴史的なまちなみや、有田焼などの陶器に趣を感じる。
お酒が大丈夫な人なら、肥前浜駅での利き日本酒はとても楽しめると思います。そのまま隣の日本酒Barでゆったり過ごすのも良いでしょう。歴史的なまちなみを歩くのが好きなら肥前浜宿の散策もお忘れなく。
武雄温泉駅や上有田駅には本格的な陶器がたくさん売られているので、お好みの商品がきっと見つかるはずです。しかし、お持ち帰りの際に割らないようにご注意ください。
有名観光地のような派手さはありませんが、心の底がじんわりする趣ある観光を楽しめるのが金の路のようです。静かに心を奮わせる大人旅をしてみたい方はぜひご検討ください。
今回は博多→佐世保コースでしたが、もう一つの佐世保→博多コースはおもてなし駅や停車駅も異なります。いつかこっちのコースでも乗車してみたいですね☺(それでこそ「全線乗車」ではなかろうか。)
36ぷらす3全線乗車旅を終えて…

夢のような6泊7日の旅はあっという間に過ぎ去ってしまいました。今まで支払ったことのないような大金も失いました。しかし、何一つ後悔はありません。このときしかできない素晴らしい体験と、母との思い出が手に入ったからです。
簡単にお勧めできるものではありませんが、時間とお金がある方はぜひ「木曜日の赤の路から月曜日の金の路まで、36ぷらす3のすべての”路”に乗車する旅」をご検討ください。時間とお金をかけるだけの価値を感じることができます。予約が不安な人は、私のようにツアーで申し込むのも良いでしょう。(その分金額は跳ね上がりますが…。)

九州にはこんな素晴らしい観光列車が走っているのか…
と身をもって体験できたこと、心から有り難く思っております。
まだ見ぬ素晴らしい体験を求めて、これからも旅行を楽しんでいきます。今後もあぐの気ままな旅行記をお楽しみくださいね。いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。
お時間があれば、36ぷらす3の他の乗車記もご覧くださいね。かなり先になるかと思いますが、この6泊7日中にプチ観光した九州の各所についても記事を書きたいと思っております。次回以降の更新もぜひお楽しみに。